初の兄弟タッグ実現! 広島・新井監督と良太2軍打撃コーチが堂林に熱血指導

[ 2022年11月17日 05:00 ]

堂林(右)を指導する新井監督と新井良2軍打撃コーチ(中央)=撮影・奥 調
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 初の兄弟タッグが実現した。広島の新井貴浩監督(45)と、実弟の新井良太2軍打撃コーチ(39)が秋季日南キャンプ第2クール最終日の16日、堂林翔太内野手(31)をそろって指導。「軸足に体重を乗せて打ちにいこう」と助言を送った。同じ右打ちのスラッガー。親身な言葉と技術論で、今季8本塁打を放った未完の長距離砲に覚醒を促した。

 ローテーションによる打撃練習の最中だった。ティー打撃に汗を流す堂林に新井コーチが声を掛ける。近くにいた新井監督も歩み寄り、2人のやりとりに耳を傾けた。新井コーチがアドバイスの中身を明かした。

 「昨日の紅白戦と、今日の練習で感じたことを伝えました。衝突気味で、本人もストレスを感じている表情だったので“軸足に体重を感じてから打ちにいけば、幅はできるんじゃない?”と」

 堂林は前日15日の紅白戦で3打数無安打。「体重が右足に乗らないまま打ちにいき、へっぴり腰のようになっていた」(同コーチ)ため、見逃し三振に内野ゴロ2つと、いいところがなかった。状態が悪くなった時の典型的なパターンだった。

 指揮官は18年までの現役時代はもちろん、評論家に転身して以降も、堂林の求めに応じて助言していた。2人の会話に入るのは自然な流れ。弟が発する言葉に「そう、そう」とうなずき、身ぶり手ぶりを交えながら技術論を伝えた。

 「ドウ(堂林)は現役を一緒にやったし、引退してからも打撃は見ているので、いい時とあまり良くない時は把握しているつもり。そのことを少し話しました」

 兄弟の指導者に共通するのは(1)頭ごなしに否定しない(2)意見を押しつけない(3)一緒に頑張ろう…という姿勢。新井コーチは、長く殻を破れないでいる堂林の気持ちを「すごくよく分かる」と理解し、「もっと自分を信じていいんじゃない?」とも伝えたという。

 代打での貴重な一発を含めて今季8本塁打を放ち、昨季の大不振から復調気配を示す31歳。若手主体の秋季キャンプに参加し、新井監督と新井コーチの助言を生かそうと、必死にバットを振る。

 「同じことを言われました。自分のスイングがなかなかできず、(投手に)入られることが多かったので、今日をきっかけに練習から精度を上げていけたら…と思います」

 未完の長距離砲に覚醒を促す兄弟による直接指導。堂林は2人のアドバイスに感謝し、言葉に力を込めた。

 ▽主なプロ野球の同時期、同チームの兄弟指導者
 ★仁村薫・徹 98~02、04年の中日と11、12年の楽天。98、00年は弟・徹が2軍監督を務め、兄・薫がコーチで補佐し、00年ウエスタン・リーグ優勝。

 ★松沼博久・雅之 02、03年の西武でともに投手コーチを務めた。当初は兄・博久が1軍、弟・雅之が2軍。03年7月に入れ替わった。

 ★番外 嶋田宗彦・章弘 来季から阪神でコーチ復帰の兄・宗彦は今季までスコアラー。弟・章弘も04年から阪神で同職を務めており、12年から今季まで「兄弟スコアラー」でチームを支えた。

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2022年11月17日のニュース