エンゼルス大谷がWBC出場意思を明かした理由 日米ファンへの拡散 チームメイトとのやりとりを振り返る

[ 2022年11月17日 21:15 ]

2017年1月、侍ジャパンのユニホームを着て取材を受ける大谷翔平
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 エンゼルスの大谷翔平投手(28)が自身のインスタグラムで来年3月の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する意思を示した。

 大谷がシーズン終了後に公の場に姿を現したのは、羽田空港での帰国会見のみ。会見ではなく、SNSで自身の意思を明かしたのは、日米の野球ファンへの影響を鑑みてのものだろう。実際に“大谷マニア”で知られるFOXスポーツのベン・バーランダー記者は米国の深夜にも関わらず自身のツイッターで即座に反応。米国の野球ファンにその情報は即座に拡散された。

 帰国会見で大谷は、WBCについて「まだ決断はしてないですけど、日本に帰ってきて、またゆっくり考えたい」と言ったかと思えば「前向きにはもちろん捉えています。なるべく早い段階で決めたい」と話すなど、迷える胸中を語っていた。来季開幕前の投手調整や代表合宿の参加時期など詰めなければならない課題が多いからだ。ただ、この時よりずっと前から心は決まっていたようにも思う。

 振り返れば敵地オークランドで迎えたシーズン最終戦の10月5日、試合後のクラブハウス。大谷はイタリア代表として出場が決まっている同僚で同い年のフレッチャーと食事をとりながら、水原通訳を交えてWBCの話題で盛り上がっていた。大谷は筆者が真横にいるのを確認した上で、フレッチャーに向かって「日本代表、ぶっ潰すって言いなよ」と大笑い。フレッチャーは困り顔で水原通訳に助けを求めていた。

 前回大会王者の米国代表で主将を務めることが決まっている同僚の主砲トラウトも「翔平とはクラブハウスでいつもWBCの話題で盛り上がっているよ」と語っていたことも印象深かった。今季限りで現役を引退した日系3世の捕手スズキも「翔平と一平(水原通訳)とWBCの出場資格についてなど何度か話したよ」と笑顔で語っていたことも思い出される。

 もちろんシーズン中はシーズンに100%集中していたが、グラウンドを離れれば、WBCのことは常に頭の中にあったのだろう。目指すは侍ジャパンの一員として06、09年大会以来の頂点。日本ハム時代に選ばれた17年の前回大会は右足首痛で出場を断念した。当時の無念を晴らす時がようやくやってくる。
(MLB担当・柳原 直之)

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