今秋ドラフト候補の東芝・吉村 村上斬り自信に運命の日待つ「純粋に対戦を楽しもうかなと思っていた」

[ 2022年10月7日 13:15 ]

練習試合<ヤクルト・東芝>東芝先発・吉村(撮影・村上 大輔)
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 20日のドラフト会議まで2週間を切った。今年のドラフト候補の中でも、特に評価が高い即戦力投手が東芝の吉村貢司郎(24=国学院大)だ。最速153キロの直球と、カットボールやフォークといった多彩な変化球が持ち味の右腕。6日に神宮で行われたヤクルトとの練習試合では、3回3安打7奪三振とスカウトの前でこれ以上ないアピールをして見せた。

 この結果以上に、印象的だったのが4番・村上宗隆内野手との対戦だ。2連打を浴びて1死一、三塁のピンチを招き、そこで迎えたのが、シーズン56本塁打を放って史上最年少の3冠王に輝いた村上。試合前からスカウトらとの雑談の中で、死球の可能性もあるため「インコースはなかなか投げられないよね」と話していた。ところが初球、内角に直球を投げ、一塁側へのファウルを打たせた。思わず神宮の記者席で「おお、すごいな…」とつぶやいてしまった。

 厳しいコースではなかったものの、CSを控えたチームの主砲に対して体に近いコースに投げるのは勇気がいることだ。吉村の度胸と、定評のある制球力への自信を感じた一球だった。しかも、最後はフォークで空振り三振。試合後の取材でも「純粋に対戦を楽しもうかなと思っていたし、プロ野球界の中でもトップの方々なので。どんな感じなんだろうと思いながら投げました」と堂々と話した。

 3回には3番・山田哲人内野手もカーブで空振り三振に仕留めた。練習試合とはいえ、村上と山田を三振に仕留めたことはインパクト十分だった。個人的には、アマチュア野球担当になって初めて公式戦の取材をしたのが、今年3月の社会人野球のJABA東京スポニチ大会。そこでチームを優勝に導き、MVPを獲得したのが吉村だったため、勝手に思い入れを持っている。20日のドラフト会議については「意識はしますけど、自分が決めることではないので。やることは変わらない」と吉村。平常心で指名を待つ右腕の未来に期待したい。(記者コラム・田中 健人)

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2022年10月7日のニュース