西武・辻監督 今季限りで退任 後任は稼頭央ヘッド決定的

[ 2022年10月7日 05:00 ]

今季限りで退任することが分かった西武・辻監督
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 西武の辻発彦監督(63)が今季限りで退任することが6日、分かった。クライマックスシリーズ(CS=あす8日開幕)から始まるポストシーズンで花道を飾る。辻監督は17年に就任し18、19年にリーグ連覇を達成。就任6年目の今季は前年の最下位から3位まで押し上げたが、3年連続で優勝を逃した。後任は松井稼頭央ヘッドコーチ(46)の昇格が決定的で、全日程終了後に正式に決まる。

 辻監督は就任6年目の今季、夏場に首位を走ったが、9月に急失速して一時は4位まで後退した。それでも不振を極めた山川を4番に固定する我慢強い采配で復調に導き、逆転でCSに駒を進めた。
 現役時代に正二塁手として黄金期を築いた西武への愛着は人一倍強い。6年間で5度Aクラス入りした一方で、昨季は42年ぶりの最下位に沈むなど、3年連続で優勝を逃した。親しい関係者には「責任は監督が取らないといけない」と話している。

 辻監督は16年オフ、3年連続のBクラスに低迷する古巣の再建を託された。1年目は正遊撃手に新人の源田を抜てきして2位に躍進し、18年に10年ぶりの優勝。19年は菊池(現ブルージェイズ)、浅村(現楽天)らがチームを去る中で、リーグ連覇を成し遂げた。

 6年間で山川を4番打者に育て、過去に外野出場もあった森の捕手起用を貫いて扇の要にした。長距離砲には球団の信念である強いスイングをさせる一方で、愛斗や呉念庭(ウーネンティン)、川越ら出塁が求められる打者にはバットを短く持つ逆方向への打撃で活路を見いださせた。

 監督生活の集大成として、あす8日からCSファーストS(対ソフトバンク)に臨む。リーグ連覇した18、19年はCSで敗れ、日本シリーズ進出を逃した。3位からの出場は初めて(20年は3位もコロナ禍で1、2位のみの開催)。自身初めての日本シリーズ進出を「下克上」で果たし、花道を飾るつもりだ。

 後任は同じくOBである松井ヘッドコーチの昇格が決定的。日米通算2705安打を放ち、18年に現役生活を終えた後、2軍で3年間指揮を執り、今季ヘッドコーチに就いた。新たに1年契約を結んだ辻監督は全143試合で打順決定を一任し、自身の考えも伝えながら打線を組んできた。ベンチで傍らに立ってきた後輩に手腕を惜しみなく伝えてきた。

 昨季まで4年連続で防御率リーグ最下位だった投手陣を、今季はトップに立て直した。一方でチーム打率は最下位で、V逸の要因となった。球団は元スター遊撃手に立て直しを託す。ポストシーズンを戦い終えた後に両者と話し合いの場を持ち、正式決定する。

 ◇辻 発彦(つじ・はつひこ)1958年(昭33)10月24日生まれ、佐賀県出身の63歳。佐賀東から日本通運を経て83年ドラフト2位で西武入団。96年からヤクルトでプレーし99年に現役を引退。93年に首位打者。二塁手として8度のゴールデングラブ賞に輝いた。ヤクルト、横浜(現DeNA)、中日コーチなどを経て17年から西武監督。06年WBCでは侍ジャパンの内野守備走塁コーチを務めた。右投げ右打ち。

 ◇松井 稼頭央(まつい・かずお)1975年(昭50)10月23日生まれ、大阪府出身の46歳。PL学園では2年春の甲子園に出場。93年ドラフト3位で西武入団。98年にMVP。盗塁王を3度、最多安打を2度受賞した。04年からメッツ、ロッキーズ、アストロズでプレー。11~17年に楽天、18年に西武に復帰し同年限りで現役引退。日米通算2705安打。19年から西武2軍監督を務め、今季から1軍ヘッドコーチ。右投げ両打ち。

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