V逸ソフトB・王会長「次、次、次だ!」 ミスターほうふつ“魂の激励” 悲劇直後の深夜ミーティングで

[ 2022年10月4日 04:45 ]

ナインに訓示する王貞治会長(奥中央)。同右は藤本博史監督
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 まだ次、次、次がある!2日のリーグ最終戦でロッテに敗れ2年ぶりのリーグ制覇を逃したソフトバンク。レギュラーシーズン2位で挑む8日からのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージを前に、王貞治球団会長(82)はV逸直後の深夜の全体ミーティングで「次!」を連呼し大号令。3位・西武をまず退けてCSファイナルステージへ、そしてオリックスを撃破しての日本シリーズ進出を果たすため、藤本博史監督(58)も涙声で雪辱を誓った。

 いつまでも、夜通しで悔し涙を流していても仕方がない。1日の西武戦では2ランを被弾した藤井―海野のバッテリーが号泣し、2日のロッテ戦では3ランを浴びた泉が慟哭(どうこく)。ただ、今季の戦いはまだ続く。目標を日本一に切り替え、全体ミーティングがV逸後の2日未明から宿舎で行われた。冒頭で王会長が、うなだれ気味の選手らを前に、熱く訓示を飛ばした。

 「一年間、ひとまずはお疲れさま。みんな本当によく頑張った。悔しいが勝負には表と裏しかない。体も心も疲れていると思うが、まだクライマックスがある。やられたら、やり返せばいいんだから。次、次、次だ!次からの戦いに備えよう」

 かつて、巨人の長嶋茂雄終身名誉監督がナインを鼓舞した名言「勝つ、勝つ、勝つ」をほうふつとさせる「次」の連呼で、王会長が大号令をかけた。

 3位・西武とのCSファーストステージは8日から本拠地ペイペイドームで始まる。鷹軍団は短期決戦で無類の強さを誇っている。ポストシーズンは現在16連勝中だ。

 ファーストSも19年は楽天に、18年は日本ハムに2勝1敗。16年はロッテに2連勝。12年は西武に2勝1敗。ファーストS最後の敗退は09年(当時は第1ステージ)までさかのぼる。2年ぶりのポストシーズン参戦になるが17~20年まで4年連続日本一を経験した柳田、今宮、中村晃らは短期決戦を知り尽くしている。

 今季が初采配の藤本監督は最後の最後にオリックスに優勝をさらわれた。王会長の訓示後、指揮官は悔しさをにじませながらあいさつした。

 「みんなよくやってくれた。ケガやコンディションで大変なシーズンだったが、本当によくやってくれた。悔しいけどね…」とまで話すと、新人監督は涙声になった。約10秒間の沈黙後に「クライマックス、しっかり準備して、やり返そうや」。次は勝って泣く。オリックスに雪辱するためにも、覚悟を決めてポストシーズンに向けて再出発する。(井上 満夫)

 【19年のパ・リーグCS】シーズン2位のソフトバンクはファーストステージで3位・楽天と対戦。10月5日に開幕し第1戦では千賀が4被弾し3―5で敗れたが、第2戦はお返しとばかりに柳田、デスパイネ、福田の3本塁打が効いて6―4で勝ちタイに。第3戦は2―1で競り勝ち楽天を退けた。さらに9日から始まったファイナルステージではペナント覇者の西武に挑戦。初戦は8回に代打・長谷川(現打撃コーチ)の適時打などで逆転して8―4で白星発進。第2戦は松田が4打点し8―6で、第3戦は千賀が8回零封の快投を見せ7―0で勝利。14日の第4戦では今宮が1試合3発5安打の大爆発。9―3で勝ち、4連勝でCSを突破し日本シリーズでは巨人に4連勝して優勝した。18年もシーズン2位からCSを勝ち上がり、広島との日本シリーズも4勝2敗で制しており、2年連続“下克上日本一”を達成した。

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2022年10月4日のニュース