近本離脱ショック…主軸欠いた阪神打線、5安打無得点で3位転落 矢野監督も苦悶「やりくり大変」

[ 2022年8月11日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0-3DeNA ( 2022年8月10日    横浜 )

阪神・近本
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 阪神は10日のDeNA戦で両リーグ最多19度目の零敗を喫し、18日ぶりに3位に転落した。約1カ月ぶりの連敗で11カードぶりに負け越し。両リーグ最多123安打を誇る近本光司外野手(27)が新型コロナウイルス感染疑いのため「特例2022」の適用で登録を外れたことも響いた。8月の長期遠征に入って以降は大山、中野らに続く主力離脱で、正念場を迎えた。

 攻守で猛虎を引っ張ってきた選手会長の穴は大きすぎた。開幕から12球団で唯一フルイニング出場を続けていた近本がコロナ感染の疑いでまさかの離脱。大山、中野に続く主軸を欠いた打線は5安打無得点に終わり、1カ月以上もなかった連敗を喫した。

 「そら苦しいよ。1番、3番、5番がいないんだから。そらもう、やりくりも大変だし…。ねえ、まあ…。試合をやる以上は粘るしかない」

 敗戦後の矢野監督も嘆かざるを得なかった。この1カ月間、多くの感染者が出た一方、主力中の主力の3人が同時期に戦列を離れることは想定外で、あまりに痛恨だ。11カードぶりの負け越しで3位転落。近年ずっと得意としてきた横浜スタジアムでの年間8敗は、00年9敗(2勝)以来22年ぶりの“事件”だった。

 近本個人にとっても痛い。9日に実施したスクリーニング検査で感染が疑われる数値が検出されたことで特例適用の登録外。再検査で同様の数値が検出されれば、一定期間の離脱は避けられない。無念の形で途切れたフルイニング出場は「可能性があるのなら若いうちはやっていきたい。やらないと分からない世界もあると思う」と強い意欲を示していた目標の一つ。万が一、離脱が長引けば、2年連続の最多安打やヤクルト・塩見と並ぶ22盗塁でリーグ1位につける盗塁王などタイトル争いにも影響する可能性がある。

 現状では「疑い」のため、再検査で陰性が確認できれば早期復帰の望みはある。ただ、9日に同じ「感染疑い」だった糸井は一夜明けて陽性が判明したように見通しは厳しい。

 夏のロードは8試合を終えて4勝4敗。2日の初戦から先発オーダーは大きく変わり、16日からは神宮球場でヤクルトとの直接対決3連戦も控える。コロナ禍で一時的に戦力を欠く厳しい条件はどこも同じ。矢野監督は前を向いた。「ここまで連敗せんで来た選手たちもしっかりやってくれた。投手がよく頑張ってくれていた。試合は待ってくれない」。戦いが続く限り、奇跡の逆転優勝を目指し、全員で乗り越えていくしかない。(山添 晴治)

 【データ】阪神はDeNAに連敗し、7月23日以来の3位に後退した。カード負け越しは6月28日から30日のDeNA3連戦以来11カードぶりで、連敗も同3連戦と7月1日の中日戦を含む4連敗して以来。零敗は今季19度目で、18度で並んでいた中日を上回り12球団単独最多となった。また、横浜スタジアムでは5連敗で、通算2勝8敗。同球場で5連敗は08年8月4日から10月11日にかけて5連敗して以来14年ぶり。年間8敗は、00年に9敗して以来22年ぶり。

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