明秀学園日立 猪俣で夏1勝 3回2死満塁3ボール1ストライクから好救援

[ 2022年8月11日 04:04 ]

第104回全国高校野球選手権第5日・2回戦   明秀日立2―1鹿児島実 ( 2022年8月10日    甲子園 )

<明秀学園日立・鹿児島実>8回、相手打者を抑え喜ぶ猪俣(撮影・後藤 大輝)
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 1回戦2試合、2回戦1試合が行われ、2回戦では明秀学園日立(茨城)が、鹿児島実に2―1で逆転勝ち。3回途中から登板したプロ注目右腕・猪俣駿太投手(3年)が、6回1/3を無失点の好投で夏初勝利を呼び込んだ。第1試合の1回戦では、選抜優勝の大阪桐蔭が逆転発進。また、聖望学園(埼玉)が、19年ぶりの夏の甲子園勝利を挙げた。

 出番だ。背番号1は右翼の守備位置から、走り出した。0―0の3回2死満塁、3ボール1ストライクの場面。猪俣が緑の芝生の上から、黒土のマウンドへ。先発した二刀流の石川ケニー(3年)を救援した。初球の直球は高めに外れ、いきなり四球押し出し。先制を許したが「最少失点で切り抜けよう」と平常心だった。

 今秋ドラフト候補の1メートル83の右腕。次打者を二ゴロに抑え、追加点を許さない。6回1/3を4安打、5奪三振で無失点。逆転勝利を呼び「自分らしい投球ができた。味方を信じてよかった」と笑った。

 憧れはこの日大リーグ史上2人目の「シーズン2桁勝利&本塁打」を達成したエンゼルス・大谷。重心を後ろに残す投球フォームを参考にして成長した。選抜では、2回戦の市和歌山戦で9回に変化球を打たれてサヨナラ敗戦。「直球で押し切れたのが一番の成長」と自己最速タイの145キロを計測するなど、角度ある直球で夏初勝利をもたらした。

 12年に監督就任した金沢成奉監督。茨城大会後、光星学院(現八戸学院光星)時代の教え子、巨人・坂本と連絡を取った。「夏(の甲子園出場は)初めてなんですよね。何か僕にできることありますか?」という坂本に金沢監督が「そんなのいっぱいあるわ!」と即答。ボールや、捕手の防具などが届き、指揮官は「ありがたいです」と感謝した。

 茨城県勢の夏の甲子園勝利は、16年に8強入りした常総学院以来6年ぶり。この試合から2回戦で16強一番乗りとなった金沢監督は「せっかくここまできたので、あと1個勝って念願のベスト8に入りたいと思います」と目標を掲げた。(柳内 遼平)

 《14年ぶり 2得点以上で無打点勝利》明秀学園日立が打点なしで2―1の勝利。夏の甲子園の無打点勝利は、19年1回戦で立命館宇治(京都)が秋田中央に1―0で勝って以来。2点以上奪ったケースでは08年2回戦で常葉学園菊川(静岡)が、福知山成美(京都)に2―1で逆転勝ちして以来14年ぶり。

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