センバツV 一番近くで悔しさ味わった大阪桐蔭・青柳くん 仲間と並んで歌う校歌は格別

[ 2022年8月11日 04:06 ]

第104回全国高校野球選手権第5日・1回戦   大阪桐蔭6-3旭川大高 ( 2022年8月10日    甲子園 )

<大阪桐蔭・旭川大> 7回を終え川原(右)に笑顔で話しかける大阪桐蔭・青柳 (撮影・亀井 直樹)
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 大阪桐蔭に頼もしい左腕が復活しました。

 青柳佳佑君(3年)は中学時代、リトルシニア日本代表として、全米選手権6連覇に貢献。「大阪桐蔭でもエース番号を」と入学しましたが、試練の連続でした。1年秋に右手首骨折。右の腸骨(ちょうこつ)を手首に移植する手術を受け、復帰には3カ月を要しました。ハイレベルな大阪桐蔭では大きな後れを取る離脱。不安と焦りから自主的に過度な投げ込みを続けた結果「やみくもに間違えた取り組みをしていました」。2年夏には左肘が悲鳴を上げました。

 「もうダメなんかな…」。消えては繰り返す左肘痛に心が折れかけた時、病院探しに奔走してくれたのは両親でした。「今は花が咲かなくてもいいから」。その言葉が焦りをすっと消してくれました。体の使い方を変え、この春ようやく痛みが消えました。

 記録員だった選抜では優勝の瞬間、「あのマウンドに集まりたかった」と一番近くで悔しさを味わいました。この日の旭川大高戦では登板はありませんでしたが、大阪大会でつけられなかった背番号18を背負い、仲間と並んで歌う校歌は格別でした。青柳君がグラブに刻んだ「感謝」の夏のプレーボールです!

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー兼ピラティスインストラクター。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。昨年からは早稲田大学大学院スポーツ科学研究科に在学し、野球選手の障害予防について研究中。

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2022年8月11日のニュース