阪神・大山、浜中コーチから「4番の心得」伝授 田淵流フルスイング継承へ

[ 2018年11月3日 09:54 ]

ティー打撃する大山(撮影・奥 調)
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 阪神・大山悠輔内野手(23)が秋季キャンプ第1クール2日目の2日、浜中打撃コーチから「猛虎4番打者の心得」を伝授された。同コーチが現役時代に当時の田淵幸一打撃コーチから受けた「フルスイング」の心構えだ。

 大山の打球に大きな変化が見えたのは午前中のフリー打撃だった。浜中打撃コーチから声をかけられ、話し込むこと約5分。その後、同コーチが打撃投手を務めるゲージに入ると、見違えるような鋭い打球を連発し、ラスト5球は全てサク越えにしてみせた。何があったのか。同コーチが、助言の全容を明かした。

 「悩みながら振っているような感じ。合わせるようなバッティングをしていたので、“思いきり振れ”と。僕も田淵さんにそう指導されたので」

 代々受け継がれてきた猛虎4番の心得だ。浜中コーチの現役当時に打撃コーチだった、第41代4番の田淵氏から伝授されたフルスイングの心構え。01年シーズンに22歳1カ月で第82代4番打者を襲名していた浜中コーチは、『うねり打法』を学び02年に18本塁打を放った。

 また、歴代3位の通算567本塁打を誇る門田博光氏が野球評論家として当時に球場を訪れた際に、「練習では、ワンバウンドでも、ボール球でも思い切り振れ」とアドバイスを受けたという。球史に名を刻む大打者たちから受け継いだものを、今は教える側として、次代の大砲候補・大山に伝えた形だ。

 「フォームを意識しすぎて、当てにいき過ぎていたところがあったので。まずは強く振ることから。そこからフォームを見つけていければ良い」

 的確な助言で現状を知った大山は、進むべき道、克服すべき課題を認識できた。器用なバットコントロールが逆に仇となって長所のパンチ力を最大限発揮できないのはもったいない。自身では気付きにくいポイントを確認できた意義は大きい。

 昨年9月1日、同じ22歳で第98代4番打者に座っている大山だが、まだまだ発展途上。なにより自身が満足してない事は、あえて言うまでもない。前日には矢野監督、この日は清水ヘッドコーチとも意見交換するなど、ベストな形を模索する日々。苦しみ、悩んだ分だけ、大きくなる予感が漂う。

 ▽浜中コーチと田淵氏 02年春季キャンプで、かつて阪神第41代4番打者を務めた田淵チーフ打撃コーチと、マンツーマンで打撃フォーム改造に着手。軸足の内転筋と親指の付け根の力でうねり上げるように、下半身の力を上半身に最大限に伝えて飛距離を生み出す「うねり打法」を伝授される。その結果、前年第82代として7試合務めた先発4番を02年は17試合。本塁打も13本から18本に増加した。03年は初の開幕4番を務め、5月中に本塁打11本を量産も、43試合目の5月20日広島戦で帰塁の際に右肩を負傷。以降の4番本格復帰は実現しなかったが、06年には自己最多20本塁打をマークしている。

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