新井さん“4%の奇跡”起こす!広島で2000人超ファン出迎え

[ 2018年11月3日 05:30 ]

日本シリーズ第6戦   広島―ソフトバンク ( 2018年11月3日    マツダ )

広島駅に到着した新井(撮影・大森 寛明)
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 大歓声を味方につけて、広島が奇跡を起こす。日本シリーズは3日にマツダスタジアムで第6戦が行われる。1勝3敗1分けと追い込まれたが、博多から移動してきた広島駅で約2000人のファンに出迎えられて勇気をもらった。

 ナインの目に映ったのは「希望」だった。多くの選手を乗せた新幹線が午前11時過ぎに広島駅に到着。コンコースへ降りると、逆転日本一を信じるコイ党が大集結していた。

 「明日は頼むぞ!」

 「日本一だ!」

 午前10時前から人は増え、11時の時点で2000人を超えた。少し遅れて午後に到着した新井は「すごいことになっているね…」と驚き、鈴木は「ありがたいことです」と感謝。温かい声援に勇気をもらい、大きな期待に身震いした。

 広島駅では急きょ規制線を設けて一般乗客の動線を確保。30人の駅員を動員した。昨年9月19日。37年ぶりリーグ連覇を達成した翌日に甲子園から戻った時は約1800人。それを上回るファンが逆転日本一を信じて集まった。

 1勝1分けで敵地・福岡に乗り込んで3連敗。一気に窮地へと追い込まれたが、新井は一丸での戦いに活路を見いだす。「全員の気迫をすごく感じている。明日で終わるつもりはない。たくさん応援してくれるファンのためにも、このまま終わるわけにはいかない」

 1日の第5戦で初本塁打を放って復調気配の丸は「他球団は(マツダで)圧倒されると聞いた事がある。シーズン中にやってきたことを出したい」と言葉に力を込めた。今季、マツダスタジアムでは44勝24敗2分けの勝率・629。赤く染まった客席がエネルギーになっていることを知っている。

 3連勝するしか可能性は無くなったが、緒方監督は「シーズン中も苦しい時はあったが、みんなで乗り越えてきた」とナインの底力を信じている。全力を尽くし、戦い抜くだけ。その先に『奇跡』の扉が開く。

 ≪1勝2敗→1勝3敗からの日本一は1回だけ≫1勝2敗から相手に王手をかけられたチームは過去23チームある。そこから3連勝して日本一になったのは55年巨人だけで確率はわずか4・3%だ。55年の巨人は南海との初戦を勝ちながら第2戦から3連敗。崖っ縁の第5戦は若手の藤尾茂、加倉井実の先発起用が当たり快勝、流れを引き戻すと第6戦は中尾碩志、第7戦はエースの別所毅彦が好投。3連敗後の3連勝で4度目の日本一に輝いた。ちなみに1勝3敗からの日本一は55年巨人以外では、58年西鉄、86年西武、89年巨人が記録、いずれも0勝3敗(西武は1引き分け)からの4連勝だった。

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2018年11月3日のニュース