金本監督「執念出てきた」 9回2点差追いつき延長で勝った

[ 2016年8月5日 05:55 ]

<D・神>DeNAに競り勝ち、笑顔でナインとハイタッチする金本監督

セ・リーグ 阪神7―5DeNA

(8月4日 横浜)
 「CS」を視界にとらえる1勝だ。阪神は4日のDeNA戦(横浜)で延長10回の接戦を制し、今季初となる3カード連続勝ち越しを決めた。2点を追う9回に追いつき、10回に試合を決めた。ベンチ入り野手15人中14人を使う一丸勝利に金本知憲監督(48)は「あきらめない雰囲気というか執念というか。それが出てきつつある」とご満悦。3位・DeNAとのゲーム差を4に縮めた。

 レギュラーも、控えも関係ない。劣勢を跳ね返し、ベンチ一丸でつかみ取った勝利に、金本監督は大きくうなずいた。

 「最近、終盤に追いつき、勝ち越し、というのが増えてきたのでね。あきらめない雰囲気というか、執念というか。それが出てきつつある」

 延長10回。「途中出場組」が土壇場から執念を見せた。2死一、二塁。まずは9回に代走から出場の荒木がフルカウントまで粘り四球を選んだ。2死満塁。9回の守備から出場していた続く新井良も、カウント2―2から2球連続で低めのスライダーを見極めて決勝点をもぎ取った。締めは9回の代打から2打席目の狩野が中前適時打。大きな2点目を叩き出し、勝利を決定づけた。

 「(狩野は)加賀のところ(6回2死満塁)と(代打で出す場面を)迷ったけど。加賀は右打者は厳しいと思って。サイドスローでね。まあ結果論だけど『狩野が先だったかな…』と。結果、緒方がああ(凡退)だったから。でもその結果、(狩野が)2打点を挙げてくれるというね」

 最後まであきらめない執念采配も、幸運な巡り合わせをたぐり寄せた。2点ビハインドの9回。原口、ゴメスの連打などで1死二、三塁と攻めると、満を持して代打・狩野を送った。遊撃への内安打と、続く江越の右犠飛で試合を振り出しに戻した。

 シーズン終盤にようやく、貯金生活だった開幕直後の勢いを取り戻しつつある。9回にビハインドを追い付いた。今季4度目の「粘り腰」だった。今季9度目となった延長戦では7月13日のヤクルト戦(神宮)に続く2勝目。今季初の3カード連続勝ち越しを決め、3位・DeNAとのゲーム差も4に縮めた。

 「やっぱりチームとしての流れがあるから。選手も疑心暗鬼になってプレーしていたら、なかなか波に乗れない。そういう時も正直あったと思う。でも、そういうものを、とにかくプラス、プラスに考えてね。ミスしたらプラスに引きずる、という。絶対に取り返してやる、という気持ちを持ってね」

 4回に失点につながる失策を犯した北條は、延長10回の勝ち越し機の口火を切る二塁打でミスを帳消しにした。前日3日の試合で二ゴロをトンネルして適時失策を犯した荒木も同じ10回に値千金の四球を選び、雪辱。金本監督からも前向きな発言が増えてきていた。 (惟任 貴信)

 ≪今季初の3カード連続勝ち越し≫阪神が9回、2点差を追い付き延長戦で勝利。今季9回に追い付いたのは4月28日の巨人戦(1―3→3―3)以来4度目。チームは今季初の3カード連続勝ち越し。DeNA戦は開幕から6カード連続負け越しなしの10勝5敗1分け。現在セのチームでは唯一同カードに勝ち越している。

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2016年8月5日のニュース