1番・青木がプレーオフ進出切り札 30球団ワースト28年間遠ざかる

[ 2014年4月1日 05:38 ]

気温5度のデトロイトで、ニット帽をかぶって開幕前日の調整を行ったロイヤルズの青木

 大リーグは30日(日本時間31日)、パドレス―ドジャース戦で米本土の公式戦が開幕した。31日(同1日)は13試合が行われ、日本選手はロイヤルズに移籍した青木宣親外野手(32)がタイガース戦で先陣を切る。昨季から攻守に底上げが進んだロ軍は、青木獲得で1番打者という「最後のピース」が埋まった。30球団で最もプレーオフから遠ざかっているチームを、背番号23が29年ぶりの世界一に導く。

 気温5度。敵地デトロイトのコメリカ・パークの冷え込みに、青木はニット帽で防寒しながら最終調整に励んだ。「いよいよという気持ちも出てきた。やれることはやってきた」。オープン戦は出場全21試合に1番でスタメン起用され、打率・292。ダルビッシュ、田中ら日本人投手に注目が集まる中、日本人野手で唯一レギュラーを保証されている男が、きっちり仕上げてきた。

 ネド・ヨースト監督も「上位打線で試合の流れや得点機をつくってくれている。いいキャンプを送ったと思う」と目を細めた。チームは昨季、10年ぶりに勝率5割を超えたが、1番打者の合計打率は両リーグ26位の・246、出塁率は同25位の・309。過去2年間の打率・287、出塁率・355の青木はうってつけの存在だ。

 チームはワールドシリーズを制した85年を最後に、以来28年間プレーオフ進出がない。これは30球団ワーストで、NBA、NFL、NHLの他の3大スポーツを含めても最長ブランクだ。しかし、一塁手ホスマー、捕手ペレスら若手が台頭し、エース右腕シールズを筆頭に投手陣も充実。29年ぶりのポストシーズンが現実味を帯びている。

 85年当時の主砲で通算3154安打、殿堂入りも果たしたジョージ・ブレット球団副社長も、青木に大きな期待を寄せる一人。キャンプ地のアリゾナで練習を見守り「球を捉える技術にたけている。1番打者にもってこいだ」と絶賛した。

 開幕戦の相手先発は、11年のサイ・ヤング賞で初対決となる160キロ右腕バーランダー。同僚から情報を収集後、ビデオで細部を確認した。青木が常に目指すのは、日本選手ではイチロー以来となるシーズン200安打。「自分の理想としているものに少しずつ近づけている感じはする。それをシーズンで出していければ」。イチローもワールドシリーズ制覇は果たしていない。ダブルの快挙達成が現実的な目標になった。

 ▽カンザスシティー・ロイヤルズ ミズーリ州カンザスシティーに本拠を置く。球団創設は1969年で当初はア・リーグ西地区。94年から中地区へ移った。チーム名は同市名物の家畜祭「アメリカン・ロイヤル・ライブストック・ショー」が由来と言われる。ワールドシリーズ制覇1回、リーグ優勝2回。日本人ではマック鈴木、薮田安彦らが所属。08~10年途中には、元日本ハム監督のトレイ・ヒルマン氏が指揮を執った。本拠地球場は、米国では珍しい左右対称型のカウフマン・スタジアム。

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2014年4月1日のニュース