3日連続登板で握力なく…桐生第一・山田 451球目悪夢の暴投

[ 2014年4月1日 05:30 ]

<龍谷大平安・桐生第一>延長10回1死満塁、桐生第一・山田(左)の高橋佑への投球が痛恨の暴投となり三塁走者・河合(右)がサヨナラの生還

第86回選抜高校野球大会準々決勝 桐生第一4―5龍谷大平安

(3月31日 甲子園)
 非情な幕切れだった。4―4の延長10回1死満塁。桐生第一・山田の投じた初球のスライダーが、女房役・小野田のミットをかすめて後方に転がる。サヨナラ暴投。歓喜に沸く相手ナインの脇で、2年生エースは天を仰いで泣いた。

 「悔しいです。自分のああいうボールで負けてしまった。申し訳ない」

 29日の2回戦・新庄(広島)戦は、延長15回163球を投げた末、引き分け再試合に。翌日の再試合では見事に完封した山田だが、さすがにこの日は右肩に強い張りが残っていたため、先輩にマウンドを譲り「4番・一塁」での出場だった。

 だが、2点リードの7回に出番は来た。自身初の3日連続登板。「絶対に抑えてやる」。しかし疲労から握力がなく、本来の投球とはほど遠い内容だった。7回は二塁へのけん制悪送球などでピンチを広げ、すぐに同点に追いつかれた。辛くも勝ち越しを防いで迎えた延長10回。先頭打者の打球が右足爪先を直撃。痛みをこらえて投げ続けたが、もう限界だった。

 本来は手元で伸びる直球が武器で、初戦の今治西(愛媛)戦では27アウト中、フライアウトが15。「ポップフライを打たせるのが僕の投球」と話していたが、この日は10アウト中、フライアウトは4。最速136キロの直球は、この日127キロにとどまった。福田治男監督は「勝っても負けても最後は山田。責められない」と2年生エースを気遣った。

 「ベスト8は良い成績だと思うが、その先を目指せると思った。この悔しさを忘れず勝てる練習をしたい」。4試合で36回1/3、計451球を投げた山田は、夏の雪辱を胸に静かに聖地を去った。

 ▼桐生第一・小野田(最後の暴投となった一球は)どんな捕手でも捕れるような球。自分が止められなかったので(みんなに)悪かったです。

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