入院中の西岡 ファンにメッセージ「声援聞こえた 早く恩返しを」

[ 2014年4月1日 06:33 ]

30日の巨人―阪神戦で西岡(手前)と福留が激しく交錯

 阪神・西岡剛内野手(29)が31日、入院中の都内病院から球団を通じ「早くグラウンドでファンの皆さんに恩返しがしたい」と熱いメッセージを送った。この日、精密検査を受け、脳には異常がなく新たなケガも見つからなかった。ただ、引き続き安静が必要で復帰時期は現時点では未定。今は一日も早い復帰を信じて待つだけだ。

 悲劇から一夜明けたこの日、西岡は都内の病院で再検査を受けた。MRI(磁気共鳴画像装置)検査やCT(コンピューター断層撮影法)検査を受け、心配された脳に異常はなし。新たなケガも見つからなかった。ひと安心といいたいところだが、引き続き入院。今後に関しても慎重に状態を見極めていく必要がある。出場選手登録こそ抹消されなかったものの、現時点では早期の1軍復帰は考えにくい状況にある。

 それでも気持ちだけは折れることはない。西岡は球団を通じ「きのうは皆さんにご心配をおかけしました。スタンドの阪神ファン、巨人ファンの皆さんの声援は聞こえてましたし、本当に心強かったです」と病床から熱い言葉を発した。

 芝の上に倒れ込んで動けなかったあのとき、四方八方から飛んできた「頑張れ、頑張れ、西岡!」というコールは、今も耳に焼き付いて離れない。だからこそ一日も早く戦場に戻りたい。その思いは「恩返し」という言葉になって続いた。

 「あらためてありがとうございます。まだ退院できていませんが、早くグラウンドでファンの皆さんに恩返しがしたいと思っています」

 1勝1敗で迎えた前日30日の巨人第3戦に悲劇は起きた。2回、先制を許しなおも2死一、二塁から9番・大竹の右翼線への打球に対し必死に背走。全速力で前進してきた右翼・福留と激しく交錯し頭から落ちた。東京ドーム内に救急車が入り緊急搬送される最悪の事態となった。

 西岡本人は一刻も早い戦列復帰を目指しているが「鼻骨骨折」「左肩鎖関節の軽い脱臼」「胸部の打撲」の診断。加えて、頭とともに首も人工芝で強打した可能性がある。それだけに、慎重な姿勢が求められるというもの。4月で焦る必要もない。今後の新たな検査次第では「長期離脱」を避けられないことも考えられる。

 30日夜に更新した「Facebook」では、声援をくれた4万5000超のファンに「しっかりと検査して、一日も早い復帰を目指します!」と投稿していた。それに続く「早くグラウンドで恩返しがしたい」との思い。今はそれだけで十分。背番号7が再び、グラウンドで暴れ回る姿を静かに待つ。

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2014年4月1日のニュース