先発・中田1安打じゃ“インフル重症ハム”救えず

[ 2009年8月21日 06:00 ]

<日・楽>スコアボードの大型ビジョンにインフルエンザに関する日本ハム選手会長・田中賢介のメッセージが流れる

 【日本ハム1―4楽天】インフルエンザ禍のチームに劣勢をはね返す力はなかった。7月上旬以来となる連敗で、10カードぶりの負け越し。主砲の稲葉は「どうしても(ベンチに)活気がない。僕が1本打っていれば、面白い展開になったんだけど…」と敗戦の責任を背負い込んだ。

 スタメンからチーム打点トップの小谷野、本塁打トップのスレッジ、打率トップの糸井の名前が消えた。その代わりに規定打席に届かない面々が5人も並んだ。さらに、ベンチ入りメンバーとして登録されたのは25人だったが、二岡、鶴岡らが静養で、実際に球場へ来ることができた選手は19人という非常事態。梨田監督は「(検査結果が陰性でも)熱を出した選手はモラルとして除くしかない。(19人では)投手交代にしろ、代打にしろ、早く動けない」と苦しい胸中を吐露した。
 それでも可能な限りの最善策を打った。この日1軍再昇格したばかりの中田を8番・一塁でスタメン起用。5回には左前打を放ち、後続の村田の左越え二塁打で生還した。しかし、12球団トップのチーム打率・288を誇る強力打線が挙げた得点はこの1点だけ。中田も2三振を喫し「粘って球数を投げさせたいところで簡単に空振り三振。自分のレベルの低さを痛感した」と振り返った。
 判定にも泣かされた。6回1死一塁で金子誠の三ゴロをさばいた草野の二塁送球はそれ、二塁塁審の両手は一度は大きく広げられたが、直後にアウトのジェスチャー。さらには5回に田中が一塁への走塁で右足首を痛めて7回の守備から交代。まさに泣きっ面にハチとなってしまった。
 全員の復帰までには1週間から10日間ほど見込まれており、もう首位独走の余裕はない。21日のソフトバンク戦(ヤフードーム)ではダルビッシュが先発。前日には38度4分の高熱があったエースはこの日は通常通りに練習をこなし「熱なんて吹っ飛ばしますよ。こういう苦しいときに勝つために僕はやっている」。今はその言葉を信じるしかない。

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2009年8月21日のニュース