イチロー 5戦連続マルチ!記録ラッシュへ加速

[ 2009年8月21日 06:00 ]

タイガースに勝利し笑顔を見せる、本塁打を含む2安打を記録したイチロー

 【マリナーズ3―1タイガース】マリナーズのイチロー外野手(35)が19日(日本時間20日)、敵地でのタイガース戦で4打数2安打2打点。5回に10試合連続安打で日米通算200号へあと1本と迫る今季8号2ランを放ち、チームを勝利に導いた。8回には内野安打もマークし、複数安打は5試合連続で今季60度目。カウントダウンに突入した米2000安打まで残り14本、9年連続200安打へは19本に迫った。

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 瞬時にスイングを修正できるのが天才たるゆえんだ。1点リードで迎えた5回2死一塁。先発バーランダーが投じた96マイル(約154キロ)直球は、捕手が構えた外角高めではなく内角高めへ入ってきた。その間わずかコンマ何秒。イチローはバットの芯を最短距離でボールの軌道に合わせた。そして、強じんな背筋力で押し返すと、打球は弾丸ライナーで右翼席へ吸い込まれた。
 「そういう(内角高めを狙った)わけでもない。ただ、僕のところに(ボールが)着くまで時間がある。そこで何かを変えることはできるし、最初から待っていなくても打てないわけではない」
 相手は100マイル(約161キロ)右腕バーランダー。最初の2打席は12球すべてが94マイル(約151キロ)を超える直球で、空振り三振、左飛に倒れていた。それでも「(直球勝負が気持ちいいとか)全然そういうレベルで僕は野球をやっていない」と“パワーにはパワーで”という発想はなかったという。「ヒットになってほしいと思いましたね」とクールに振り返るイチローに、敵将のリーランド監督は「失投はたった1球だけなのにな…」と嘆いていた。
 真夏の暑さでバテるどころか、イチローの調子は上がる一方だ。好調のバロメーターは本塁打したコースにある。内角高めは今季苦手にしており打率は・257。しかし前日には左投手が死球気味にえぐってきた直球を体の回転で右翼線二塁打。柔らかい打撃で打ち返しており、今月は打率・380(79打数30安打)、複数安打は19試合中13試合と量産態勢だ。
 8回にはこの日初めての変化球、外角のチェンジアップに余裕で対応し二遊間へ転がして内野安打。「(安打の喜びは)メディアに発表するほどでもない」としたが、米2000安打に続き、9年連続200安打も残り20を切った。記録ラッシュへ天才がギアを上げてきた。

 ≪城島 好リードに満足≫2試合ぶりに先発したマリナーズ・城島は好リードが光った。先発スネルが5回2/3を4安打1失点。トレードでの加入後、3試合とも制球難で苦しんでいたため「きょうは低く投げさせて、ワンバウンドは全部止めてやろうとひざをついて受けた。あとは気持ち良く投げさせるだけだった」と理想的な投球に満足げだった。打っても、3回にチーム初安打となる左前打を放つなど3打数1安打。攻守にわたって好調をアピールした。

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2009年8月21日のニュース