ガッツ休養も…3番阿部が5回決勝弾!

[ 2009年8月21日 06:00 ]

<巨・横>5回1死、右越え本塁打を放つ巨人・阿部慎之助

 【巨人4―3横浜】慎ちゃん、決めた。巨人・阿部慎之助捕手(30)が20日の横浜戦で、同点に追いついた直後の5回に右越え17号ソロを放った。18、19日と2試合連続で決勝打を放っていた小笠原道大内野手(35)が左足内転筋痛で欠場する中で、“代役3番”を任された阿部の値千金の一発。チームは今季6度目の同一カード3連戦3連勝で、貯金も今季最多の27。早ければ、25日にも優勝へのマジックナンバー「27」が点灯する。

【試合結果
巨人グッズ


 いつでも冷静なのは捕手という“職業柄”か。お立ち台でインタビュアーから「木村選手の一発の後、勝ち越しの一発でしたね」と振られた阿部は「(木村拓は)一発じゃなくて犠牲フライですよ」と即座に訂正してスタンドの笑いを誘った。
 2試合連続で決勝打を放ちながら左内転筋痛が完治していないため欠場した小笠原の代役で3番に座った主将。同点に追いついた直後の5回1死からだった。カウント2―2からウォーランドのスライダーを右翼ポール際に突き刺す17号ソロ。直球のタイミングで待っていたため少し上体は泳がされたが、一瞬の間を置いてフルスイングした。前日は3三振を含む4打数無安打、この日もそれまでの2打席は凡退していただけに「2打席目まで上からかぶって上体打ちになっていたので、打球を上げるようなイメージでスイングした」と、球をひきつけ下半身主導で打つ基本に返って本塁打につなげた。
 3番の重責を果たし、「あらためて小笠原さんの存在は大きいと感じた」と振り返った阿部だが、実は自身もリタイア寸前だった。今月中旬の広島遠征中に夏風邪で体調が悪化。鼻水、頭痛に苦しんだ。真夏に長袖のアンダーシャツを着て体の老廃物を大量の汗で流し、周囲に体調不良を悟られることなく正捕手として試合に出続けた。「熱があると怖いから体温も測らなかった」と苦笑する。これで8月に自らが本塁打を放った試合はチームは4戦全勝。責任感あふれる主将のバットは、チームを乗せる。
 夏休み最後の東京ドームでの試合を勝利で飾った。チームは貯金を今季最多の27とし、2位・中日とのゲーム差も2・5に広げた。「中日とのゲーム差?残り10試合になったら考えます」。リーグ3連覇を達成するまで一喜一憂はしない。阿部の口から自然に出た言葉は、常々、原監督が口にする言葉と同じだった。

 ≪藤田2年ぶりに勝った≫移籍2年目の藤田が、ロッテ時代の07年4月20日の楽天戦(フルスタ宮城)以来の勝利を挙げた。1点を勝ち越された5回途中から登板すると、後続を断ち直後の逆転劇を呼び込んだ。6回も3者凡退に打ち取り、完全継投リレーにつなげた左腕は「準備はできていました。中継ぎが勝っても仕方ないけどね」とそっけなかったが、原監督は「試合そのものを締めたのは藤田。こちらのリズムにした」と称えた。

続きを表示

2009年8月21日のニュース