龍谷大平安 不祥事乗り越えサヨナラ勝ち

[ 2009年7月28日 06:00 ]

<福知山成美×龍谷大平安>甲子園出場を決め、喜びを爆発させ歓喜のダッシュをする龍谷大平安ナイン

 第91回全国高校野球選手権大会(8月8日開幕、甲子園)の京都大会では龍谷大平安が福知山成美にサヨナラ勝ちし、校名変更後初の出場を決めた。

【試合結果


 【京都・龍谷大平安5―4福知山成美】劇的なサヨナラ勝利にナインは拳を突き上げ、うれし涙を流した。1点を追う9回。1死から3連打で同点。続く4番・橋本の頭部死球に「燃えた」という中が満塁から右翼へ打ち上げた。タッチアップした三走・妻鳥がヘッドスライディングで生還した。
 エースの縄田が劇勝を呼び込んだ。名門の背番号1を背負う左腕は6年前の夏、甲子園3回戦でダルビッシュ(当時東北)と延長11回に及ぶ投手戦を演じた服部(日立製作所)にあこがれて同校に入学した。今大会初先発だった前日の準決勝では、8回に左ひじに死球を受けてそのまま負傷交代。同夜には3年生全員から「大丈夫か」「あしたは頼むぞ」とメールが届いた。
 「調子が良くなかった分、低めを突く投球を心がけました」。10安打を浴びながら9回を4失点に抑え、最終回は味方の反撃を信じた。脳裏をよぎったのは昨夏の悪夢。2年生(現3年生)の部内暴力が明らかになり自分たちの代は夏の出場を差し止められ、秋の大会も出場辞退となった。後遺症は大きく、橋本主将も「6月になってやっとチームがまとまった」と打ち明けた。思いはただ一つ、甲子園。縄田も「去年のことがあったので、この夏は絶対に甲子園に行きたかった。その気持ちが(相手より)強かったと思う」と話した。
 昨年4月に校名変更となり、現校名となってからは初の甲子園出場。そして、平安時代から合わせ区切りの30回目の出場。不祥事を乗り越えての新たな歴史のスタートを前に、原田監督は「選手の根性に感謝。今は言葉が出ない。全国のファンが待っていてくれたと思う」と感慨の涙を流した。

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2009年7月28日のニュース