元北勝富士の大山親方「あの強い坂元元規が…」同学年ライバル大奄美の引退に明かした思いと不思議な縁

[ 2026年1月20日 07:55 ]

国技館内で引退相撲のチケット販売を行う元小結・北勝富士の大山親方
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 大相撲の大山親方(元小結・北勝富士)が19日、両国国技館内で行われた「親方トークイベント」出演後に取材に応じ、今月16日に現役引退を発表した大奄美(33=追手風部屋)への思いを語った。大奄美の引退会見は、きょう20日に行われる。

 大山親方と大奄美は同学年で、アマチュア時代から互いに全国トップレベルで競い合ってきた間柄。高校2年時の全国選抜弘前大会決勝で初めて対戦して中村大輝(大山親方)が勝利し、その後は大学時代も含め何度も対戦してきた。中村大輝(大山親方)は埼玉栄高―日体大を経て2015年春場所で初土俵。大学2年時に全国学生選手権優勝、3年時に国体優勝で幕下15枚目格付け出し資格を2度獲得したがともに期限切れで失効し、前相撲からのデビューとなった。

 一方、坂元元規(大奄美)は鹿児島商高―日大から大学卒業後すぐには角界入りせず、社会人1年目に日大職員として出場した全日本実業団選手権で優勝。実業団横綱のタイトルを獲得して幕下15枚目格付け出しで2016年初場所で初土俵を踏んだ。この時、前相撲から番付を駆け上がってきた大輝(大山親方の当時のしこ名)の番付は東幕下16枚目。2人の番付は近く、くしくも坂元(大奄美)のデビュー戦で対戦することとなった。その時は大輝が肩透かしで勝利。その後は幕下で1回、十両で1回、幕内で3回対戦して大山親方の計4勝1敗だった。

 北勝富士は2016年九州場所の新入幕から8年以上幕内の地位を守っていたが、首や膝などの度重なるケガの影響で昨年春場所十両に転落。そこでも大きく負け越し、14日目の取組で右膝を痛めた。関取残留が懸かる千秋楽の対戦相手は大奄美。こちらは2017年初場所の新十両昇進から8年以上守ってきた関取の地位から陥落し、1場所での復帰を目指す東幕下2枚目で3勝3敗という立場だった。互いに当時32歳で力士人生が懸かった究極の“入れ替え戦”。結果は、北勝富士が右膝のケガで土俵に立つことができず大奄美の不戦勝。北勝富士は幕下転落が決まり、この取組を最後に翌場所引退。大奄美は関取復帰を果たしたが、同年秋場所で再び幕下に転落して今場所中に引退を発表した。

 大奄美の力士人生最初の取組と、北勝富士の最後の取組が両者の対戦。大山親方は「そういう縁もあった。本当お疲れ様でしたという感じですね」と土俵を去るライバルを労った。大奄美は幕内在位12場所、十両優勝1回、十両優勝決定戦進出5回など関取として長く活躍。それでも晩年はケガに苦しんで本来の相撲が取れていなかった。自身もケガで引退を余儀なくされた大山親方は「苦しそうだなと、ケガに勝てない気持ちは分かる」と理解を示した。さらに「あの強い坂元元規がこんなに負けるわけないのに…と思って見ていた」と、小学生時代から強さをよく知る同学年ライバルならではの思いも明かした。

 1992年(平4)度生まれは「花のヨン組」とも呼ばれる黄金世代の一つ。多くの関取を輩出した世代も今年度で33歳になり、元小結・千代鳳(現・錦島親方)や元十両・千代の海、元十両・大成龍は既に土俵を去っている。その中で、宇良、翔猿、御嶽海の3人は現在も幕内で活躍。十両経験者の栃丸は幕下で5戦全勝と関取復帰を目指して奮闘している。「痛いところや思うところもあると思うけど頑張ってもらいたい。一人でも生き残ってほしいなという気持ちはあります」。5月30日に引退相撲(断髪式)を控える大山親方は、土俵に立ち続ける同学年の仲間たちにエールを送った。

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