二所ノ関親方が夏場所占う 霧馬山連覇への鍵は前半の5日間 14日初日

[ 2023年5月14日 05:10 ]

優勝額贈呈式で記念撮影に応じる霧馬山(代表撮影)
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 大相撲夏場所は、14日に東京・両国国技館で初日を迎える。横綱・照ノ富士(31=伊勢ケ浜部屋)が4場所ぶりに出場。大関・貴景勝(26=常盤山部屋)は休場明けでカド番場所に臨むなか、春場所で初めて優勝賜杯を手にした関脇・霧馬山(27=陸奥部屋)が大関獲りに挑む。本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)はモンゴルの成長株の連覇も十分と予想。加えて横綱、大関を倒して昇進してほしいと期待を寄せた。

 霧馬山の充実ぶりには目を見張るものがあります。稽古熱心でもあり、春場所後も精力的に稽古を積んでいたようです。重圧はあっても、自分から攻める気持ちを持って土俵に上がってほしいものです。

 初場所が11勝、春場所が12勝。10勝すれば大関昇進への目安とされる3場所33勝に到達します。今の勢いなら10勝以上する可能性はかなり高いとみています。先場所の優勝はフロックではありませんし、連覇も十分狙えます。むしろ求めるのはハイレベルの優勝。横綱、大関を破って13勝以上を残して優勝プラス堂々と上がってもらいたいと思います。

 前半の5日間をどう入るか。関脇は平幕と対戦することが多いので、取りこぼしはできるだけ避けたいところです。最近5場所は5日目までが3勝2敗。序盤から連勝街道を走れると、後半は精神的にも楽になれます。現時点では対応力に優れ、これに力強さが備われば言うことなし。伸びしろもあり、しっかりと研究しながら自分の形を築き上げていくことが理想的です。

 1横綱、1大関は3場所目。久しぶりに上位陣の優勝争いを見たいのが本音です。照ノ富士は厳しい状況ではありますが出る限りは綱の責任を果たしてくれるでしょう。私も経験がありますが、半年以上も休んでいるとその間に若手が急成長し、こんな力があったんだと、肌を合わせて戸惑うこともあります。初日からしっかり相撲を取って早く本場所に慣れることが肝心です。

 貴景勝は綱獲りから一転カド番となりました。阿炎はここ一番では怖さを発揮するタイプなので、相手のペースに付き合うことなく自分の距離感を保てるか。稽古総見の映像を見た感じでは押し込まれる場面もあったので、この1週間でどこまで調整できたか。不安を払拭できる相撲を期待します。(元横綱・稀勢の里)

《優勝額贈呈式で霧馬山笑顔》
 大相撲夏場所初日を翌日に控えた13日、東京・両国国技館では土俵祭りが行われ、八角理事長(元横綱・北勝海)らが15日間の安全を祈願した。優勝額贈呈式には初場所優勝の大関・貴景勝と春場所Vの関脇・霧馬山が出席。初参加の霧馬山はお披露目された額を見て「(額の)写真が格好いい。笑っちゃいました」と周囲を和ませ、「また優勝できるようにコンディションを大事にして臨みたい」と意気込んだ。

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