有森裕子氏　エチオピア勢の想定以上のスパートに戸惑い　今後の糧に

陸上・大阪国際女子マラソン （ 2023年1月29日    大阪市・ヤンマーフィールド長居発着 ）

30キロ過ぎ、先頭争いをするヘヴン・ハイル・デッセ（手前右）とメセレット・ゴラ・シセイ。遅れをとる安藤（奥）
Photo By 代表撮影

　【有森裕子の目】30キロを過ぎた途端にエチオピア勢がスパートし、1キロ3分5秒という驚異的なスプリットで引き離しにかかりました。当然、安藤さんも予想はしていたはずですが、たぶんギアの上げ方が想定以上だったのでしょう。一瞬ちゅうちょしたような感じでついていくことを諦め、あっという間に差を広げられてしまいました。

　風が強かったこともあってそれまでに体力をかなり消耗していたのは確かだと思います。本人が言うように「ついていけなかったのは自分の弱さ」なのかもしれませんが、どんなレベルの変化であっても対応できるだけの練習をしていれば何とか食らいつくことはできたはずで、ぜひ次に生かしてほしいと思います。

　今は昔と違ってシューズなどの用具も進化していますし、昔のようにただ長い距離を踏めばいいというわけでもありません。どうすれば世界に追いつくことができるのか、練習環境も含めてみんなで考えながらやっていくしかないのかもしれません。（五輪2大会連続メダリスト）