ドルーリー朱瑛里、また抜いたまた区間新 岡山のスーパー中学生凱旋走、状態4~5割でもスゲェ~んじゃ

[ 2023年1月30日 04:45 ]

第3区を快走するドルーリー朱瑛里(撮影・後藤 大輝) 
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 第12回「晴れの国岡山」駅伝(岡山県、旭川・百間川ランニングコース折り返しの9区間42・195キロ)が29日、3年ぶりに開催され、15日の全国都道府県対抗女子駅伝で注目を集めた“スーパー中学生”ドルーリー朱瑛里(しぇり、15=鶴山中)は津山市の一員として初出場。3区(中学女子=3キロ)で3人を抜き、区間新の9分40秒をマークし、チームの6位入賞に貢献した。

 「晴れの国」というレースタイトルに似つかわしくない曇天。3区の選手がたすきを受ける午前11時半ごろに気温は5度を下回り、コースがある百間川の河原には西から秒速2メートルに迫る風が吹き、河畔のアシが揺れる。好条件とは言い難い中で、ドルーリーが地元観客の声援を背にハツラツと駆けた。トップと1分差の5位でたすきを受けると、ストライドを伸ばして一気に加速。3人を抜いて2位に浮上し、トップと23秒差で4区につないだ。走破タイム9分40秒は従来の記録を10秒更新する区間新で、中学男子の北村蓮(倉敷市)とともに優秀新人賞を受賞した。

 「しっかり貢献できる走りができればと思っていました。トップが見える位置で渡せて良かった」

 15日の全国都道府県対抗女子駅伝は任された3区(3キロ)で区間新&17人抜きと快走。これで脚光を浴び、心に過度の負担がかかりかねない状況に15歳は「注目され過ぎるのはあまり好きじゃないので…」と戸惑う。さらに寒波襲来により津山市では40~50センチも雪が積もり、最近は屋外で練習できなかった。トレーニングジムのランニングマシンなどで体を動かしたものの、コンディションは「4~5割ぐらい」という。それでも存在感を示す快走に津山市陸上競技協会副会長で同市チームを率いた河井凡(ただす)監督は「調整不十分でもレースをしっかりまとめた。走りの“技”も見せてくれた」と称えた。

 この大会は2010年に岡山勢が各駅伝で優勝したことを記念して始まり、地元で親しまれている。ここ2年はコロナ禍の影響で中止。3年ぶりに開催され、ドルーリーは初出場を果たした。昨年は津山市チームの練習に参加しながら大会中止を経験しただけに「(中学)最後の年に走れて良かった。優秀選手賞よりも、チームの6位入賞に貢献できて良かった」と言葉に実感を込めた。

 ◇ドルーリー 朱瑛里(しぇり)2007年(平19)11月16日生まれ、岡山県津山市出身の15歳。小学4年時に陸上クラブの津山ジュニアに加入。22年の全国中学校体育大会の1500メートルで4分23秒79を出して優勝。今年1月の全国都道府県対抗女子駅伝では3区(3キロ)で17人抜きをし、区間新を樹立。父はカナダ人、母は日本人。1メートル57。

 ≪同学年のスーパー中学生≫☆西矢 椛(スケートボード) 13歳で出場した東京五輪のスケートボード女子ストリートで金メダルを獲得。日本勢史上最年少金メダリストになった。22年にはXゲームを初制覇した。

 ☆松島輝空(卓球) 小6で出場した全日本選手権のジュニア男子シングルスで準優勝したホープ。今年の全日本選手権は及川瑞基と組んだ男子ダブルスで準優勝を果たした。

 ☆比嘉もえ(アーティスティックスイミング) 14歳だった昨年にAS日本代表に史上最年少で選出された注目株。広島でプレーした元プロ野球選手の寿光氏を父に持つ。

 ▽「晴れの国岡山」駅伝競走大会 男女混合の9区間で争われ、2010年に全国都道府県対抗女子駅伝、全日本実業団対抗女子駅伝(天満屋)、全国高校女子駅伝(興譲館)で岡山県勢が優勝したことを記念して始まった。12回目の開催となった今回は24市区町村が参加した。

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