田中希実「最低限の自分超えはできた」女子3000mで非公認ながら“新記録”

[ 2022年10月15日 16:09 ]

女子1000メートルを快勝した田中希実
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 陸上女子3000メートルの日本記録を持つ田中希実(豊田自動織機)が15日、「TWOLAPS MIDDLE DISTANCE CIRCUIT in HYOGO」で、出場選手は自身だけの女子3000メートルで8分40秒02をマークし、自己記録を0秒82上回った。男子のペースメーカーがついたレースのため記録は非公認となる。「最後は何とか(8分)40秒を切りたいと思っていたので少し残念」と悔しがりながら「最低限の自分超えはできたのかな」と少しホッとした表情を浮かべた。その理由を次のように説明する。

 「今季は“自分を超えた”と思うことがなくて、練習でも中途半端だった。昨季の結果があるから自尊心が邪魔してガムシャラさを出せない、もどかしさがあった。実業団(9月の全日本実業団対抗選手権女子5000メートルで日本人トップの2位)で外国人選手に負けたけど、自分の走りをつかめた。ここで一気に自分を超えないといけないと思って、非公認でもいいから“自分を超えられるレース”をTWOLAPSさんにセッティングしていただいた。チャレンジしたことに意味があるし、捨てずに最後まで走れた」

 このレースから約1時間後に臨んだ女子1000メートルは2分39秒41で快勝。自身の持つ日本記録2分37秒33に及ばなかったものの、残り1周にさしかかる前に先頭へ出て、そのまま押し切った。「3000メートルの後はあまり動けなかったので乳酸を処理できているかわからなかった。(レースになれば)意外に動けて他の選手のリズムを借りながら、自分からレースをつくれたのは良かった。“かけっこ”は勝ちたい気持ちが大事」。走ることの楽しさをもう一度、思い出した様子だった。

 なお、男子1000メートルでは薄田健太郎(筑波大)が2分18秒69の日本新をマーク。2005年6月に小林史和が出した2分19秒65を0秒96上回り「しっかり優勝することと日本新が目標だった。うれしい」と話した。

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2022年10月15日のニュース