アメフト近大 完封劇演出したLB西玲太は「兄弟対決」も制する「違った緊張感がありました」

[ 2022年10月15日 16:01 ]

関西学生アメリカンフットボール1部リーグ   近大26―0甲南大 ( 2022年10月15日    王子スタジアム )

<近大・甲南大>第3Q、近大・清水大(左)がTDを決める(撮影・後藤 正志)
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 甲南大オフェンスと相対しながら、近大LB西玲太(1年)は見えない敵とも戦っていた。相手をわずか120ヤードに封じ込めた完封劇。守備の要として、3連勝へ導いた立役者は、少しはにかんで、特別な一戦の意味を明かした。

 「きょうの試合は違った緊張感がありました。兄弟(対決)という意識があって…」

 同じポジションの甲南大・西冬惟(3年)は、2学年上の兄。2人ともスターターに名前を連ね、初めて敵と味方として、キックオフのホイッスルを聞いた。

 2人がタッチフットを始めたのは、玲太が小3、冬惟が小5のとき。池田ワイルドボアーズ、箕面自由学園高と同じ道を歩み、大学へ進む時、初めて玲太は「自分」を貫いた。「(兄と)違うチームで、最初は心細かった」。精神的自立は、プレーヤーとしての成長もアシストする。大城健一監督が「堅実なタックラー。能力ではポジションで一番」と惚れ込むポテンシャルがいきなり開花。ルーキーながら、欠かせぬ存在となっている。

 直接対決の朝、2人は両親と一緒の車で会場入りした。車中で会話はゼロ。もともとアメフトの話はしない兄弟だけに、それは日常の風景だった。ただ、玲太は同じ苦労を知る兄を尊敬している。

 「身長は僕の方が高いですけど、力強いヒットとか、パシュートの寄りとか徹底されていて、そこはすごいと思います」

 忘れられない「初対決」。いつかお酒を酌み交わし、笑い合って振り返る1日になる。

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2022年10月15日のニュース