【玉ノ井親方 視点】逸ノ城 進化した“組んでから”の攻め方

[ 2022年7月15日 05:25 ]

大相撲名古屋場所5日目 ( 2022年7月14日    ドルフィンズアリーナ )

立ち会いでぶつかる照ノ富士(左)と逸ノ城(撮影・亀井 直樹)
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 眠れる獅子が覚醒したかのようだ。逸ノ城は横綱と当たる時はいつも同じようなパターンで敗れていた。右の相四つなので、組むのは簡単に組ませてもらえるが、そこからの攻めが遅く、すぐに投げを打たれ体勢を崩され、攻め込まれていた。

 ところがこの日は見違えるような相撲を見せた。左まわしを素早く引いて、すかさず前へ。さらに頭もつけて攻め続けた。左上手を許さず、仕方なく横綱が両腕を強引にきめにきたが、そこですぐに出ていかなかったのも良かった。時間をかけて、まわしを十分に深く取ってから寄り立てた。横綱に反撃する力は残っていなかった。

 今場所の逸ノ城は体がよく動いている。体調も良いのだろう。簡単に押されない体の重さは、見ている我々にも伝わってくる。6日目の御嶽海戦に勝てば、このまま一気に波に乗っていきそうだ。(元大関・栃東)

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2022年7月15日のニュース