逸ノ城 無傷5連勝で単独トップ 照ノ富士先輩から歴代10位の9個目金星

[ 2022年7月15日 05:25 ]

大相撲名古屋場所5日目 ( 2022年7月14日    ドルフィンズアリーナ )

立ち会いでぶつかる照ノ富士(左)と逸ノ城(撮影・亀井 直樹)
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 平幕・逸ノ城が横綱・照ノ富士を寄り切り、無傷の5連勝で単独トップに立った。現役最多だった金星獲得も9個となり、史上10位に並んだ。カド番の2大関はともに敗れた。宇良に敗れた御嶽海は2勝3敗と黒星先行。正代も若元春に寄り切られ、4敗目を喫した。全勝の逸ノ城を追う1敗は翔猿、錦木、一山本、翠富士の平幕4人。役力士に全勝、1敗はいなくなった。

 まさかの展開が待っていた。結びで逸ノ城が照ノ富士を撃破。あまりにも一方的な内容に観客もあぜんとするばかり。拍手もまばらな中、逸ノ城は荒々しい息遣いで19本の懸賞を手にした。現役屈指の横綱キラー。通算9個目の金星は歴代10位にランクインし「良かった」と短い言葉で喜びを表現した。

 夏場所はコロナ感染で全休。合同稽古の常連も、6月上旬の出稽古期間は予定していた時津風部屋での稽古をキャンセルした。それでも場所に入ると別人のように立ち合いで張り手を多用。積極的な攻めで白星を重ねた。照ノ富士とは同じ右四つ。先に左上手を奪うことだけに集中し、見事に成功した。「いつも横綱の左前まわしが速いので、自分も左前まわしを引きたいと思った」。流れでもろ差しになると、右の差し手を深くし、横綱に両腕を抱え込まれても、ダメージを軽減させた。じりじりと圧力をかけながら土俵際に運ぶと、最後は横綱が根負けした。土俵下で見守った佐渡ケ嶽審判長(元関脇・琴ノ若)も「今日は逸ノ城を褒めるべき。(照ノ富士は)いつもならあの状態でも出ていくが、今日は相手が大きすぎた」と評価した。

 10年にモンゴルから同じ飛行機で来日した照ノ富士とは過去2勝13敗で、16年初場所以来6年半ぶりの勝利。まだ序盤とはいえ役力士とは2差をつけた。「始まったばかり。自分の相撲に集中したい」と話す。19年春場所では初日から7連勝し14勝を挙げた。1972年名古屋場所で高見山が外国出身力士初優勝を果たしてから50年。元祖怪物に、お目覚めの時間が訪れようとしている。

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2022年7月15日のニュース