砂村光信氏 2つのトライ評価 日本らしさ見えたミスのないパス継続

[ 2022年7月10日 05:20 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2022最終戦   日本15ー20フランス ( 2022年7月9日    東京・国立競技場 )

<日本・フランス>突進するフィフィタ(撮影・吉田 剛)
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 【砂村光信 視点】2つのトライを評価したい。1本目は蹴り合いからカウンターを仕掛け、2本目はターンオーバーから、ともにパス攻撃で崩した。空いたスペースを突く意思疎通が見事で、WTBフィフィタは1人で突っ込むことなくパスを選び、オフロードとフリップパスを交えたパスワーク全体の精度も高かった。WTB松島と福岡の速さに頼りがちだった従来の攻めではなく、ミスなくパスをし続ける日本らしい攻撃の形ができたことが一番の収穫だ。

 フッカー堀江のノットストレートやNo.8タタフのノックオンなど途中出場選手のミスが響いて敗れたが、いずれも修正できる。ただ、PKから速攻を狙った場面でタップキックしていないと判定され、ピンチを招いたSH茂野のプレーはリーグワンでも指摘されていた。今はレフェリーだけでなく審判団全体にプレーをチェックされており、癖なら改善しなくてはならない。

 若手を多く起用したテストマッチ4試合の大きな収穫はSH斎藤とSO李のHB団だ。初戦ではパスの後に何度もタックルを食らっていた李が、ポイントへの寄りもパスも速い斎藤と組んだことでプレーに余裕ができ、持ち味を発揮しやすくなった。山沢(埼玉)とともにSO1番手の松田(同)を脅かす存在と言える。また、ディフェンスのいいガンターがフランカーに定着し、リーチが自分のプレーに徹することができるのも大きい。気になったのはプロップで先発とリザーブに差があること。フッカーとSHの3番手もやや力が落ちるため、W杯へ全体的な底上げが必要になる。(元U―23日本代表監督)

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2022年7月10日のニュース