日本代表 ティア1仏に肉薄15―20 同点トライも判定覆り歓声が悲鳴に

[ 2022年7月10日 05:20 ]

ラグビー リポビタンDチャレンジカップ2022最終戦   日本15ー20フランス ( 2022年7月9日    東京・国立競技場 )

<日本・フランス>後半、幻のトライに喜ぶ日本フィフティーン(撮影・久冨木 修)
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 金星スルリ…。世界ランキング10位の日本代表は同3位の強豪フランス代表に15―20で逆転負けを喫した。後半30分までは15―13でリードするも、終盤にミスが目立ち失速。世界最上位グループとされるティア1からの勝利を惜しくも逃した。これでフランスとの通算対戦成績は1分け11敗。11月の欧州遠征では敵地で再戦予定で、今度こそ初勝利をつかむ。

 国内テストマッチ最多となる5万7011人の観客から、大きなため息が漏れた。日本は逆転を許した直後、15―20で迎えた後半34分に敵陣左ゴール手前でマイボールラインアウトのチャンス。フッカー堀江のスローからボールをつなぎ、最後はタタフが5メートルを突破しインゴールへ。同点トライ!のはずだった…。しかし、ビデオ判定の結果、タタフのノックオンでノートライに。紅白の段柄ジャージーを着たファンの歓声は一瞬で幻となった。

 23―42で敗れた1週間前の対戦から戦略を変え、キックを多用し欧州王者を揺さぶった。前半にはカウンター攻撃から山中が2トライ。試合を15―7で折り返すと、ハーフタイムの国立競技場は日本の勝利を期待するムードが高まった。だが、最後の最後で力尽きて金星には手が届かず歴史的1勝はお預け。フッカー坂手主将は「勝てるゲームだった。もう一歩(の差)、その一歩が凄く大きいというのが率直な思い」と悔しさをにじませた。

 欧州王者も、レフェリーも隙を見逃してくれなかった。15―13で迎えた後半31分、自陣左10メートルライン付近の相手ボールスクラムで相手SHクイユーに左側から抜けられるミス。そのまま約30メートルの独走を許し、逆転トライを奪われた。試合終了間際には、獲得したPKでSH茂野がタップキックで速攻を狙うも、正しくキックしてないと判定され好機を失った。

 16年以降の対ティア1で8試合が10点差以内の惜敗または引き分けに終わっている。特にフランス戦は17年11月に23―23とドロー、この日は1トライ差の逆転負け。毎回“惜しい”どまりだ。だから、リーチに満足感はない。「いつも良い試合で終わるという悪い癖をつけないように。体を仕上げて秋には勝ちたい」。フランスとの再戦は11月。“歴史的勝利まであと一歩だった”とは、もう言わせない。

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2022年7月10日のニュース