二所ノ関親方が名古屋場所占う 大栄翔“汗”らず押して大関足がかり 10日初日

[ 2022年7月10日 05:10 ]

大栄翔(左)
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 大相撲名古屋場所は10日に名古屋市中区のドルフィンズアリーナで初日を迎える。例年以上に猛暑が続く中で行われる夏の陣。横綱・照ノ富士(30=伊勢ケ浜部屋)の2場所連続優勝が懸かる中、スポニチ本紙評論家の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は大関獲りへの足がかりとしたい関脇・大栄翔(28=追手風部屋)に注目した。

 名古屋場所は体調管理が難しく、力士の得意、不得意が出やすい印象があります。暑さ対策とともに、土俵での「汗」対策もポイントになりそうです。

 次期大関候補の争いが熾烈(しれつ)になる中、関脇に復帰した大栄翔に注目しています。夏場所で11勝を挙げ、大関の足固めには大事な場所。自分が優勝争いを引っ張っていくぐらいの気構えを持ち、初日から一番も落とさない覚悟で臨めれば楽しみです。以前から、左右の攻めのバランスがいいことを強調してきました。右、左と畳みかけることで相手も対応が困難になります。自身の長所をしっかり意識して土俵に上がってほしいです。

 名古屋場所は土俵の下まで暑く、控えに座っているだけで汗が噴き出します。拭いても取組までの10秒ぐらいでまた汗だくになるので手足が滑って突き、押しが鈍ってしまうことがあります。私も現役時代に左のおっつけが利かず、よく左を差し込まれた苦い経験があります。汗の影響を受けないよう大栄翔もピンポイントで押していくことがキーとなるでしょう。

 照ノ富士は夏場の戦いが向いていると分析しています。最近は突き押しを苦手としていますが、彼らが汗で力を発揮できないことが有利に働きそうです。横綱も利き足が滑って中に入り込まれる危険もありますが、元々誘い込んで取ることを得意としているから、むしろ歓迎ではないでしょうか。伊勢ケ浜部屋は幕内が5人もいて、稽古場は充実している。膝の負担も暑い時季は軽減されることも見込め、連覇は十分と見ました。

 カド番2人を含む大関陣は優勝争いまではどうでしょうか。御嶽海は稽古不足、正代、貴景勝も最近の内容からは厳しそうな印象です。(元横綱・稀勢の里)

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2022年7月10日のニュース