日本代表10番・山沢もコロナ欠場…笑わない男・稲垣“動じず”2日フランス戦挑む

[ 2022年7月2日 05:22 ]

前日練習でウオーミングアップを行う稲垣啓太
Photo By スポニチ

 ラグビー日本代表は2日、愛知・豊田スタジアムで今年の欧州王者フランスと対戦する。1日には会場で前日練習を行ったが、10番で先発予定だったSO山沢拓也(27=埼玉)が新型コロナウイルス抗原検査の陽性で欠場が決定。非常事態の中、プロップ稲垣啓太(32=埼玉)はチーム内に動揺がないことを強調した。“動じない男”が通算1分け9敗の強敵に挑む。

 笑わない男は動揺しない。稲垣は試合前日に司令塔の欠場が決まる事態を冷静に受け止めた。「誰かが倒れたら、誰かがやらなければいけない。特に混乱はない」。チームを鼓舞するかのように力強く言葉を発した。

 代表はここまで、25日のウルグアイ戦に出場していたSH斎藤ら計4人が陽性判定を受けた。追加招集された茂野が斎藤に代わり9番、リザーブだった21歳の李承信が10番の先発に繰り上がるなど緊急事態が起きている。

 そんな状況でも、稲垣が不動心を貫く理由がある。今夏は代表本隊と予備軍に当たるNDSの2チーム制で活動し、選手層の増強に着手。「誰が(メンバーに)入ってもいいように準備してきた」と自信を示す。出場機会を得た選手にとっては、来年のW杯へアピールの機会になる。

 世界ランキング2位のフランスに勝てば歴史的初勝利となる。相手はスクラムやラインアウトなどセットプレーを武器とするが「そのプレーに(対し)どうやって戦うかを見ていただきたい。準備してきたことを出す」と対抗する構えだ。この日の前日練習同様、最高気温35度を超える猛暑での戦いが予想されるが「暑さをどう自分たちの味方につけるか」と稲垣。頼もしい男とともに桜の木は揺るがない。

 《21歳李承信、SOで急きょ先発》急きょ訪れた先発機会で猛アピールする。李承信は6月25日のウルグアイ戦で代表デビューしたばかり。司令塔としての能力はもちろん、ランスキルと決定力も武器で、今季リーグワン4位の97得点を誇る。SOはし烈なポジション争いが繰り広げられており、山沢に代わって出場する今回は大きなチャンス。宮崎合宿で「W杯で代表入りしたい思いが強くなっている」と意気込んでいた21歳が、世界2位に立ち向かう。

 《トヨタ所属2人も地元で活躍誓う》トヨタ所属の2人も、地元での活躍を誓った。6月27日に追加招集されて先発に抜てきされたSH茂野は、チームの緊急事態にも「誰が出ようが日本代表であることは変わりない」と強調。週明け当初から連係を高めてきた山沢ではなく李承信との“急造ハーフ団”で難敵に立ち向かうが、「元々ポテンシャルの高い選手。一緒にやるのが楽しみ」と話した。リザーブ入りしたWTB高橋汰は初キャップ獲得のチャンスに「凄くワクワクしている。練習してきた通りのプレーをしたい」と平常心を心掛けていた。

 《フランス、酷暑の中で調整》フランスは試合開始時間となる午後3時頃から約1時間練習。気温35度を超える酷暑の中での調整に、仏メディアからは暑さ対策に関する質問が飛んだが、フランカーのオリボン主将は「(秋開催だった19年の)W杯の時よりも厳しいと思うが準備はしている。自信を持って試合に挑める」と話した。昨春に左膝じん帯を断裂し、代表としては21年欧州6カ国対抗戦以来の復帰戦となる。19年W杯もケガを乗り越え出場していた闘将は「日本にはいい思い出がある。また思い出をつくりたい」と話した。

続きを表示

2022年7月2日のニュース