井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑫ パッティング

[ 2022年7月1日 12:00 ]

井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑫ パッティング
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 最終回はスコアメークの肝となるパッティングがテーマです。新井貴浩氏はどうしてもインパクトでパンチが入ってしまい、ついついオーバーしがちだと言います。そんな新井氏にお勧めのストロークを井戸木鴻樹プロがアドバイスしてくれました。もちろん、アベレージゴルファーにも役立つこと間違いなし!ぜひスコアメークに役立ててください。進行役はティーチングプロのジミー常住氏が務めます。 動画で見る・井戸木鴻樹&新井貴浩のゴルフ化学変化⑫

 常住 新井さんはパッティングを得意としていますか?それとも…。

 新井 得意な方ではないですね。2パットで良いよという場面でも、インパクトでパンチが入ってカップをオーバーします。欲深い人間なので仕方がありません(笑)。それでも最近は、手首を使いすぎないように、若干両手の位置を高めにして構えています。
 
 井戸木 一応考えてやっているわけですね?

 常住 それではカップまで4メートルぐらいありますが、この距離を打ってもらいましょう。

 新井 はい。のぼりの真っすぐなラインですね。

 井戸木 おおっ、ナイスインです!素晴らしい。文句無しのパットです。パンチも入っていませんでしたよ。

 新井 ありがとうございます。たまたま入った感じです(笑)。

 井戸木 パッティングの距離感にお悩みのようですが、お勧めなのは自分の目から入る感覚を生かすことです。

 新井 目の感覚ですか?

 井戸木 そうです。おそらく新井さんも振り幅で距離を合わせる方法を耳にしたことがあると思います。例えば、5メートルを打つ場合は、テークバックで右足の外側のラインまで上げて、フォロースルーでは左足の外側までヘッドを出していくという感じです。確かに、機械的に安定した距離を打つには有効かもしれません。しかし、どうしても意識がテークバックでのヘッドに行くため、スムーズにストロークできないことが多いんですよね。窮屈なインパクトを迎えてしまうと、結果的に距離感が合いません。

 新井 具体的にどうしたら目の感覚を生かせるのでしょうか。

 井戸木 キャッチボールと同じです。相手に正確にボールを投げることができるのは、目で相手との距離を測っているからですよね?パッティングでもカップを見ながら素振りをするうちに、自動的に正しい振り幅になっていきます。実際にやってみますね。1メートル先を見ながらの素振りと、10メートル先の素振りとでは、明らかに振り幅が違いませんか?

 新井 確かに違います!

 井戸木 あとはその素振りと同じストロークをするだけです。これだと、スムーズにストロークできるので、インパクトでパンチが入ることはもちろん、緩むことも無くなりますよ。

 常住 距離感の問題はそれで解決すると思いますが、方向性を高めるためにはどうしたらいいのでしょうか?

 井戸木 やはりヘッドを真っすぐ引いて真っすぐ出すことを心がけるべきだと思います。そのためには、どこでもできる練習ですが、真っすぐな棒を用意し、その上で素振りを行います。その棒に沿ってヘッドを動かせば、自然と真っすぐなストロークが身に着きます。また、ボールを打つときは、あらかじめボールにラインを引いておき、そのラインを目標に向かって合わせます。あとはそのラインを真っすぐ転がすつもりで打つと、狙った方向にボールが打ち出されるようになりますよ。

(取材協力=兵庫・小野東洋ゴルフ倶楽部)
 
 ◆井戸木 鴻樹(いどき・こうき)1961年(昭36)11月2日生まれ、大阪府出身の60歳。豊川中(茨木市)3年時に日本ジュニア優勝。中学卒業後に研修生となり82年プロテスト合格。93年新潟オープンなどツアー2勝。ショットの精度に定評があり、01年以降7度フェアウエーキープ率1位となる。〝元祖日本一曲がらない男〟。13年全米プロシニア選手権で優勝し、日本男子初のメジャー覇者に輝く。

 ◆新井 貴浩(あらい・たかひろ)1977年(昭52)1月30日生まれ、広島市出身の45歳。広島工高―駒大を経て98年ドラフト6位で広島入団。05年に43本塁打で本塁打王。08年阪神移籍。11年に93打点で打点王。15年広島復帰。16年に通算2000本安打、通算300本塁打をマークしリーグVに貢献。MVPに輝く。日本代表の侍JAPANでも活躍。18年引退後にゴルフを始めベストスコアは87。

 ◆ジミー・常住 本名・常住治臣(つねずみ・はるおみ)1981年(昭56)12月15日生まれ、東京都出身の40歳。日本プロゴルフ協会(PGA)会員。

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