高橋彩華“10度目の正直”涙の初V 最終日最終組の壁打ち破り黄金世代11人目頂点

[ 2022年4月25日 05:30 ]

女子ゴルフツアー フジサンケイ・レディース最終日 ( 2022年4月24日    静岡県伊東市 川奈ホテルGC富士C=6447ヤード、パー71 )

<フジサンケイレディース・最終日>18番、初優勝を飾り涙を見せる高橋彩華(左から)黄金世代の植竹と大里(撮影・西尾 大助)   
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 初日から首位に立つ高橋彩華(さやか、23=東芝)が5バーディー、3ボギーの69で回り、通算12アンダーでツアー初優勝した。過去9回、最終日最終組を経験し、“10度目の正直”で悲願を達成した。98年度(98年4月~99年3月)生まれの黄金世代では先週の植竹希望に続く11人目の優勝。世代別の優勝人数では87年度生まれの10人を抜いて最多となった。

 やっと待ってもらえる立場で仲間と喜び合うことができた。18番。50センチのウイニングパットを沈めた高橋は涙で頬を濡らし、グリーンサイドで祝福のために待っていた同じ黄金世代の大里と抱き合った。

 「いつも私が待っている立場だった。今度は待ってもらって泣いてもらって凄いうれしかった」。10度目の最終日最終組、首位で最終日を迎えるのは6度目。何度もはね返されてきた初Vの壁をついに打ち破った。

 “おばけ”に勝った。過去の優勝争いはいずれも「出ないおばけを怖がっていた」と重圧に押しつぶされた。この日も1番で第1打を右バンカーに曲げてボギーとすると、続く2番でも第1打を右のラフに入れボギー。「また勝てないのかな」と弱気になりかけた。だがすぐに「逃げんじゃねー!!」と自分に活を入れた。直後の3番。ピンを狙って打った第2打を1メートルにつけ、4番でも3打目を50センチまで寄せて連続バーディーで勝負の流れを引き寄せた。

 スイングも重圧に負けないように工夫した。以前は始動の時に手でクラブを上げていたが「プレッシャーに強くなれるように」と背中の大きな筋肉で上げるイメージに変えた。「今日はそれが生きたと思います」。今週、初めて使ったカーボンシャフトのアイアンも力みなく振ることができて、全てが今のスイングにマッチした。

 オフに雑誌の企画でタレントで日本フェンシング協会会長の武井壮と対談。その時に「勝てないというけど、その位置にいるだけでメンタル強いじゃん」と励まされた。「優勝争いの目線が変わりました」と自信を得た。難関の川奈で3日間トップを守る完全Vは史上初。「(同世代に)私だけ置いていかれてるかなと思っていた。それも刺激になった。初優勝の呪縛から解かれたので、これからの自分が凄い楽しみです」。おばけを克服した“遅咲き”の黄金世代にもう怖いものはない。

 ▽世代別の優勝経験者 これまでの最多は87年度生まれの10人。アン・ソンジュ28勝、テレサ・ルー16勝、有村智恵14勝、吉田弓美子7勝、笠りつ子6勝、服部真夕5勝、黄アルム5勝、穴井詩3勝、原江里菜2勝、ナ・ダエ1勝で計87勝を挙げている。現在計34勝(米ツアー含め40勝)の黄金世代は他に田中瑞希や吉本ひかる、臼井麗香、山路晶らも控えており有望だ。なお3位は8人で、69年度(平瀬真由美、入江由香ら)、82年度(西山ゆかり、古閑美保ら)、88年度(イ・ボミ、菊地絵理香ら)、92年度(青木瀬令奈、成田美寿々ら)の4世代。

 ◇高橋 彩華(たかはし・さやか)1998年(平10)7月24日生まれ、新潟市出身の23歳。開志国際高―日本ウェルネススポーツ大。10歳でゴルフを始め、16年日本女子アマ優勝。18年プロテスト合格。19年ニチレイ・レディースでプレーオフの末2位。同年賞金ランク19位でシード権獲得。21~22年賞金ランク11位。1Wの平均飛距離は240ヤード。1メートル62、55キロ。

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