堀米「夢の大会で、多くの人に見てもらい優勝できた」超大技決めストリート男子3年ぶりV

[ 2022年4月25日 05:30 ]

Xゲーム最終日 ( 2022年4月24日    千葉・ZOZOマリンスタジアム )

<Xゲーム最終日>スケートボード男子ストリート決勝、高難度のトリックを決め優勝した堀米雄斗(撮影・小海途 良幹)
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 スケートボード・ストリート男子決勝で、東京五輪金メダルの堀米雄斗(23=ミクシィ)が19年米ミネアポリス大会以来、3年ぶり2度目の優勝を果たした。降雨のため各選手2本のみの“短期決戦”となる中、1本目から新技を披露し全て成功。日本初開催のアクションスポーツ世界最高峰の祭典で、大会の顔が圧巻の滑りを披露した。2位に池田大暉(15)、3位に東京五輪代表の白井空良(そら、20=ともにムラサキスポーツ)が入り、日本勢がこの種目で初めて表彰台を独占した。

 降雨中断中にスマホで通話している時に、突然首に大きな金メダルが掛けられた。電話の相手は、応援に駆け付けていたキックボクサーの那須川天心。幼少期からスケボー仲間の平野歩夢ら他にも多くのアスリートが見守った舞台で、五輪以来の実戦となった堀米が面目躍如を果たした。

 「夢の大会で、多くの人に見てもらい優勝できた。最高にうれしい。応援のおかげでベストの滑りができた」

 雨予報のため、当初予定より3時間早い午後0時30分開始となった決勝。鉛色の空からはスタート直前に雨粒が落ちてきたため「一番心配だったのは雨。普段は3、4本できるが、最悪1本だけになるプレッシャーがあった」と振り返るほどだった。しかも最終滑走の自身が滑る前に、他の日本勢がワンツー態勢を築いた。そんな極限状態でも、五輪王者はやっぱり強かった。

 初っぱなから高い完成度のトリックを次々に披露すると、見せ場は2本目の最後に出した「スイッチ・トレフリップ・リップスライド」。逆足前から空中で板を縦横360度回し、レールをまたぎながら滑り降りる超大技で、五輪後に習得に励んだ。最後に繰り出した意図は「一番最後に出した方が盛り上がるので」。五輪では不在だった観客の盛り上げ方も、やはり超一流だった。

 Xゲームで計12個の金メダルを獲得しているヒューストン(米国)ら海外トップの欠場が相次いだが、日本勢の表彰台独占は決してフロックではない。初出場で銀メダルを獲得した池田も「自分のお手本。一緒に戦うことができて、いい経験になった」と話す。堀米雄斗という金メダリストの存在が、日本のスケボー界を着実にレベルアップさせている。

 スケボーは五輪や今大会を通じて、日本でもスポーツとして根付き始めている。「また日本で開催できたらうれしいし、もっと知ってもらいたい」と堀米。トップランナーとして、これからもさまざまなシーンでスケボーを盛り上げていく。

 ▽スケートボード・ストリートの競技ルール 決勝は8人で争い30分間で各選手が1回あたり最大45秒間のラン(試技)を繰り返すジャムセッション方式で争われる。五輪や他の国内競技会ではランとベストトリックによる合計得点で争われるがXゲームではベストトリックは採用されず、得点も非公表。街中を模した障害物やレールを使い、トリックの難度や完成度、独自性や技のつなぎなどが総合的に評価される。

 ▽Xゲーム 米国の放送局ESPNが主催するアクションスポーツの競技会。1995年に「エクストリームゲーム」として米ロードアイランド州ニューポートで初開催され、翌96年から現名称に。米国以外ではこれまでバルセロナや上海で開催されており、千葉がアジアで2度目。賞金額は非公表ながら、数百万円規模とされる。今大会は3競技10種目が行われた。冬季大会も年1回開催されている。

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