競泳のトランスジェンダー女子選手が現役続行を表明 ペンシルベニア大のトーマスに全米が注目

[ 2022年3月4日 09:43 ]

アイビーリーグ選手権で優勝したリア・トーマス(AP)
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 米アイビーリーグのペンシルベニア大に所属しているトランスジェンダーの女子競泳選手、リア・トーマス(4年)が2024年の五輪代表選考会まで現役を続行することを表明した。

 スポーツ・イラストレイテッド誌が最初に報道し、スポーツ専門局のESPNも伝えているもので、同選手は当初男子選手として大会に出場していたが、2018年性と体が一致していないトランスジェンダーと認識し、ホルモン療法を受けたのちに2021年から女子選手の大会に出場。2月中旬に行われたアイビーリーグ選手権では100ヤードと200ヤードの自由形で優勝していた。

 全米大学体育協会(NCAA)はトーマスが男性ホルモンのテストステロンの数値が基準値を下回っている限り、3月16~18日にジョージア州アトランタで開催される全米大学選手権への出場も認めており、同選手は100、200、500ヤード自由形に出場する予定。その後の活動についても注目されていたが「私は競技を続けたい。あるがままの自分として泳ぎたい」としてパリ五輪の代表を決める国内選考会まで現役を続行する意思を示した。

 ただし3日になってアイオワ州のキム・レイノルズ州知事(62=共和党)は高校と大学の女子の大会に、トランスジェンダーの女性が出場することを禁止する法案に署名。「女性の肉体を持つ選手が男性の肉体を持つ選手と争うのはフェアではない」としてトランスジェンダーの女性の出場を女子の大会で認めない方針を示したのはアイオワのほかアイダホ、ウエストバージニアなど10州に広がっており、この問題は米国全体で論議を呼んでいる。

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