史上初デビュー戦Vへ佐藤心結“ド緊張”1差発進 「心臓の音が聞こえるくらいだった」

[ 2022年3月4日 05:30 ]

女子ゴルフツアーダイキン・オーキッド・レディース第1日 ( 2022年3月3日    沖縄県 琉球GC=6590ヤード、パー72 )

18番、佐藤はティーショットを放つ(撮影・西尾 大助)
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 国内女子ツアーが開幕し、昨年11月のプロテストに合格したルーキー佐藤心結(みゆ、18=ニトリ)が6バーディー、2ボギーの68で回り首位と1打差の2位と好発進した。ツアー通算4勝の渡辺彩香(28=大東建託)が67で単独首位。昨季9勝で賞金女王の稲見萌寧(22=Rakuten)は73と伸ばせず61位と出遅れた。

 1番のティーイングエリアで、佐藤は極度の緊張に襲われた。「アドレスに入った途端、心臓の音が聞こえるくらいだった」。それでも逸材ルーキーはティーショットをフェアウエーに運んだ。

 そのホールで6メートルのパットを沈め「バーディー発進できて、波に乗れた」。8番パー3では9Iで80センチにつけるなど正確なショットでバーディーを重ねた。2ボギーを叩いたが「デビュー戦の初日にしては上出来だと思う」と頬を緩めた。

 小学1年時のクリスマスに祖父・義雄さんからクラブセットをプレゼントされ、ゴルフを始めた。思い出のクラブは自宅の自室に大事に保管している。佐藤は「(義雄さんが)土日に来る予定なので何としても予選通過をしなければいけないんです」とうなずいた。

 1日の卒業式は欠席したが、茨城・明秀学園日立高を卒業したばかり。アマチュアで出場してプレーオフの末に2位だった昨年10月のスタンレー・レディースも、プロテストもすっぴんでプレーした18歳は「プロになって身だしなみに対する意識が一気に変わった」。メークを始め、2月には髪を明るく染め、ピアスホールを開けた。この日は母・美樹さんに買ってもらったピアスを着けた。この大会から賞金を獲得できる。「頑張って、いただいた賞金でアクセサリーを買いたい」とはにかんだ。

 首位と1打差。プロデビュー戦で優勝すればツアー施行後、日本人初の快挙となる。「デビュー戦なので、最低限予選通過が目標。そこから自分のプレーができれば優勝争いもできると思う」。謙虚な言葉に自信がにじんだ。

 ◆佐藤 心結(さとう・みゆ)2003年(平15)7月21日生まれ、神奈川県小田原市出身の18歳。7歳でゴルフを始める。昨年6月の日本女子アマチュア選手権で3位。昨年10月のスタンレー・レディースではプレーオフに進み2位。今春明秀学園日立高を卒業。1メートル61、57キロ。

 ≪松山は2戦目で初優勝≫野村敏京は国内プロ初戦の11年中京テレビ・ブリヂストン・レディースで優勝したが、10年12月にプロ転向後、米ツアーなどに出場していた。また笹生優花は19年日本のプロテストに合格し、国内プロ2戦目の20年NEC軽井沢72で優勝したが、それ以前に海外で2試合に出場しておりプロ4戦目だった。プロデビュー戦で国内ツアーを制した日本人はいない。国内男子ツアーでは13年つるやオープンに勝った松山英樹のプロ2戦目が最速(99年以降)。

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