内村航平「今どうしているのか心配」 リオ五輪で金争ったウクライナのベルニャエフ気遣う

[ 2022年3月4日 05:30 ]

オンライン取材に応じる体操男子の内村航平
Photo By 共同

 体操男子個人総合で五輪2連覇を達成し、1月に現役引退を表明した内村航平(33=ジョイカル)が3日、オンラインで取材に応じた。現在は12日の引退イベント「KOHEI UCHIMURA THE FINAL」(東京体育館)で披露する最後の演技へ練習を続けており、「6種目やると言ったのを後悔するぐらいきつい。6種目はこんなにも過酷なのかと改めて感じている」と苦笑い。それでも「美しさと着地の部分は自分らしさを出せるところ。そこを見せられたらいいと思う」と抱負を述べた。

 表情が沈んだのは、ロシアのウクライナ侵攻に関するコメントを求められた時だった。16年リオデジャネイロ五輪の個人総合決勝で内村と名勝負を繰り広げたオレグ・ベルニャエフ(28)はウクライナの選手で、「ウクライナといえばオレグ・ベルニャエフがいるんですけど、今どうしているのか心配なことはある」と心を痛めている様子。スポーツ界では体操の強豪国でもあるロシアとベラルーシを国際大会から除外する動きが進んでおり、「政治や戦争に関しては立場上言う権利はないというか、僕のひと言で何かが変わるわけでもないと思う」と前置きした上で、「スポーツにまで影響が及んでしまうのは非常に悲しいところだなと感じます」と話した。

 ベルニャエフは2月24日にインスタグラムで自身がキエフ市内にいると報告し、「朝6時に砲撃で目覚めた。言葉がないし、怖い」などと発信。4日後にはロシア国旗にバツ印をつけ、「ロシアは国際大会に不要」と記した画像をアップしている。

 【内村に聞く】――昨日まで強化合宿に参加していた。
 「イベントに向けて自分の練習をやりつつ後輩にアドバイスしながら、3日間それなりにやれたと思う」

 ――鉄棒以外の練習は。
 「鉄棒に絞ってからもつり輪と平行棒以外の練習はやっていた。世界選手権が終わって以降は体の状態を見ながらやったり、やらなかったり。つり輪と平行棒はかなり難度を下げてやるので、当日何かできるか探りながらやっている。試合ならおのずと高まるけど、モチベーションの上げ方がイマイチ分からない(苦笑い)」

 ――北京五輪は羽生選手に注目していた。
 「やっぱり羽生結弦だったなという印象が非常に強い。結果じゃない部分を重視してやったのが4回転アクセルへの挑戦だったと思う。失敗したけど挑戦するところに価値がある。彼は結果を残そうが、残すまいが、羽生結弦というオンリーワン。日本、世界中の人々に感動を届けられる存在というのは僕自身も凄く刺激になるし、尊敬できるなと見ていました」

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