大西翔太〝即効〟ラウンド術⑧ 左足下がりのバンカー

[ 2022年3月4日 12:00 ]

大西翔太〝即効〟ラウンド術⑧左足下がりのバンカー
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 バンカーショットを苦手にしているアベレージゴルファーは珍しくありません。第8回はそれが格段にレベルアップする方法を紹介します。それをマスターすれば、難関の左足下がりのライからのバンカーショットも怖くありません。大西翔太コーチは、左足下がりのライからでもアドレス次第でボールを上げることは難しくないと言います。荒川侑奈選手が実践すると、驚くほど高く上がりました。スコアメークに役立つテクニックです。 動画で見る・大西翔太〝即効〟ラウンド術⑧

 大西 ボールがバンカーの縁近くに止まると、左足下がりのライになりがちです。うまく打つには非常に難しいライなので、まずはそういう状況に陥らないように、バンカーに入らないよう避けることをお勧めします。とはいえ、そうなってしまった場合は、何とか対処しなければいけません。

 荒川 その状況から〝寄せワン〟が可能な位置につけるのは厳しいと思います。でも、できればボールを高く上げたいところですね。

 大西 そのためにもアドレスに気を配りましょう。まず、傾斜に対して逆らって立つか、傾斜なりに立つかに分かれます。私は後者をお勧めします。なぜなら、傾斜に逆らって立つと、クラブヘッドがボールのかなり手前を打ちやすいからです。

 荒川 それだと脱出も厳しくなりますね。

 大西 だから傾斜なりに立つわけです。左足に体重を多く乗せて、体の軸と地面が垂直になるように構えましょう。もちろん、体が左に倒れない程度にします。さらにワンポイントとして、両手の位置にも気をつけて下さい。

 荒川 両手の位置ですか?

 大西 目標に対してクラブヘッドよりも後方に来るのが正解です。この形をハンドレートと言います。そのように構えると、ロフトが大きくなった状態でインパクトを迎える分、ボールが高く上がります。

 荒川 クラブフェースは開いて構えますか?

 大西 スクエアでも構いませんが、高さがほしいなら若干開いたほうがいいでしょう。あとは通常のバンカーショットと同じように体の回転でクラブを上げたら、ボール1個分手前にヘッドを下ろすだけです。

 荒川 実際に試してみると、本当にボールが上がりますし、出球の勢いも弱くなりますね。

 大西 バンカーに限らず、左足下がりのライでは、インパクトでロフトが立つため、出球が強くなりがちです。そのため、思い切ってクラブを振れないことがミスの原因になったりします。ハンドレートにしたことで、出球が弱くなるので、思い切ってクラブを振れる分、そういったミスも防げます。

 荒川 アベレージゴルファーにも有効な打ち方でしょうか?

 大西 有効です。ただ、左足下がりのライに限ったことではありませんが、バンカーショットの成功率を高めるためにも、ヘッドを思ったところに下ろす精度を高めておくべきです。ドリルとしては、バンカー内に2メートルほどの直線を引きます。その線の左サイドにボールがあるとイメージし、線に対してヘッドを下ろしていきます。ヘッドの跡ができるので、自分がどこに落としているのか一目瞭然です。

 荒川 線の手前に跡があればダフっているし、線の先にあるならトップしたことになりますね。

 大西 正解です。それを踏まえながら、少しずつ前に移動していくと、自分の傾向をつかめます。あとは自分なりに少しでもラインに近づけるように練習しましょう。

 (取材協力・船橋カントリークラブ)


 ◆大西 翔太(おおにし・しょうた)1992年(平4)6月20日生まれ、千葉県出身の29歳。12歳でゴルフを始め茨城・水城高ゴルフ部で石井貢監督に師事。卒業後に日本プロゴルフ協会ティーチングプロA級資格を取得。女子プロの青木瀬令奈と契約を結び昨年のサントリー・レディースでは復活優勝に導く。昨年から渋沢莉絵留も指導。妹の葵も女子プロ。

 ◆荒川 侑奈(あらかわ・ゆな)1995年(平7)10月28日生まれ、千葉県出身の26歳。9歳でゴルフを始め関東中学選手権、千葉県ジュニアで優勝。聖徳大付女子高卒。1Wの平均飛距離は250ヤード。

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