船木和喜氏 ジャンプ男子団体、陵侑が最上級の得点稼ぐエース 幸椰が流れ引き寄せるキーマン

[ 2022年2月14日 05:30 ]

北京五輪ジャンプ男子ラージヒルで銀メダルを獲得した小林陵侑(撮影・小海途 良幹)
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 【今日のツボ教えます スキージャンプ男子団体・船木和喜】個人ラージヒル(LH)で日本選手4人全員が上位30人による2回目に進出しており、団体戦で勝負する条件は整った。メダル争いは同様に4人が2回目に残ったスロベニア、ドイツ、オーストリア、ポーランドと、LH優勝のリンビクを擁するノルウェーの6カ国が中心。LHの個人得点を単純に足すと、1位スロベニアと日本は32・1点、飛距離換算で約18メートルの差がある。4人計8度のジャンプで1回2メートル以上の差と考えると、現実的にはドイツ、オーストリアとメダル争いを繰り広げながら、さらに上をうかがうことになるだろう。

 基本的に全員が同一ゲート=同一助走距離の個人戦とは異なり、4グループそれぞれ助走距離を変えられる団体戦は、誰を何番手に使うかも戦略だ。それでも各国のエースは4番手=アンカーとなる可能性が高く、陵侑はその中でも最上級の得点を稼ぐことは計算していいと思う。

 となれば、そこまでの3人が上位に離されないことが重要となる。私がキーマンに指名したいのは、LHで日本勢2番手の15位に入った佐藤幸椰だ。2回とも133メートルを超える飛躍を見せており、調子は上向き。その特徴は踏み切りのコンパクトさとインパクトの強さにある。

 1メートル61という身長は今回の日本代表で最も低く、当然比例してスキーが短い。これを逆手に取って、空中に出るとV字を素早く完了させるのがいい。空中では風の影響を受けにくいので、悪条件にも強いと思う。1番手で使って、流れを日本に引き寄せる“大仕事”を期待したい。(98年長野五輪スキージャンプ2冠)

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