ワリエワのドーピング違反をITAが正式発表 暫定資格停止は解除も五輪出場はCASの判断

[ 2022年2月11日 13:33 ]

10日に練習会場で調整するワリエワ(AP)
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 北京冬季五輪のドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)は11日、ロシア・オリンピック委員会(ROC)のフィギュアスケート女子代表カミラ・ワリエワ(15)が昨年12月のドーピング検査で陽性反応を示したと発表した。12月25日のロシア選手権(サンクトペテルブルク)で採取された検体から禁止薬物トリメタジジンが検出された。ワリエワは16歳未満で保護対象のため実名公表は控えるのが原則だが、メディアが非公式情報でワリエワの名前を報道したため公式発表したとしている。

 ITAによると、検体を採取したのはロシア反ドーピング機関(RUSADA)で、世界反ドーピング機関(WADA)の研究所がトリメタジジン検出を2月8日に報告し、RUSADAはワリエワの選手資格を暫定的に停止。ワリエワ側は同9日のRUSADAの事情聴取で資格停止に異議を唱え、解除されて北京冬季五輪に出場可能になったとした。

 ただし、国際オリンピック委員会(IOC)や国際スケート連盟(ISU)はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴する権利を持ち、IOCはワリエワが出場予定の女子ショートプログラム(SP)が行われる15日までに出場資格を正式決定する必要があるため、ITAは11日、IOCに代わって上訴の手続きを行ったと発表した。出場可否はCASの判断次第となる。ROCが金メダルを獲得し、今回の問題で表彰式が中止となっている団体戦の扱いは後日決定。ROCが失格となれば銅メダルの日本は2位に繰り上がる。ワリエワは11日も練習を行ったが、取材には応じなかった。

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2022年2月11日のニュース