平野歩夢 珠玉の言葉たち「誰かと戦うよりも、どこまで行けるかの挑戦」

[ 2022年2月11日 12:29 ]

北京五輪第8日 スノーボード・ハーフパイプ男子決勝 ( 2022年2月11日    河北省張家口・雲頂スキー公園 )

セレモニーに臨んだ平野歩夢(ロイター)

 2大会連続銀メダリストの平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が、3回目に96・00点をマークし、悲願の金メダルを獲得した。昨夏の東京五輪でスケートボード・パーク種目に出場してから、わずか半年。前人未踏のチャレンジを続け、ついに冬の頂点に立った平野歩が残してきたこの1年間の言葉を振り返る。

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 「スケジュール的な部分でいうと、この1年の延期で同時進行で前に進まないといけない部分では時間も限られるし、バランスが難しいと思っているが、こういう時間があって“与えられるもの”っていうものもあると思う。自分の中では、さらに厳しいチャレンジというところに価値観は感じている」
(21年7月1日 スケートボードの東京五輪代表に内定し、五輪が1年延期されたことについて問われて)

 「得られたものは、人ができないことにチャレンジすることの難しさ。スノーボードではなかなか感じない部分だし、それがスケートボードを通じて、この場を通じて、自分自身を強くしてくれたんじゃないかと思う」
(21年8月5日 東京五輪で予選敗退が決まり、前例のないチャレンジを続けたことへの感想を問われて)

 「今までの五輪を振り返ってみると、今の方が気持ちも楽。誰かと戦うよりも、どこまで行けるかの挑戦になる。前は負けられないとか感じていた、(冬季五輪)2大会だった。今回はこの半年でどこまで行けるか。自分のペースでやれる気持ちの方が、今までに比べると大きいのかなと思う」
(21年9月5日 新所属発表会見で、北京五輪へ向かう気持ちを問われて)

 「全部が違って、同じ五輪だが別物の世界観。本当にみんな楽しく。みんなのフレンドリーさ、熱さが見られない景色が強かった。誰かに負けないようにではなく、自分のベストが見せられるか。そこに集中できた。空気が柔らかかった」
(同前の会見で、東京五輪を経て五輪観に変化が生じたかを問われて)

 「兄弟で上がっていきたい気持ちは、特別あるのかなと思う。今までの流れを見てもそうだし、シンプルに海祝にも頑張ってもらいたいし。全てがメリットになっているのかなと思う」
(21年12月6日 W杯開幕戦を控える中での会見で、弟・海祝と一緒に五輪を目指していることを問われて)

 「平昌では凄くドラマのある、スノボーの良さだったり、相手がいるからこその(戦いになった)。彼もチャレンジャーなので、自分の気持ちだったり、立場に似ている部分を感じている。彼も今回、最後の五輪なので、またその場でやり合えるのは楽しみにしている」
(22年1月25日 北京五輪代表内定会見で、ショーン・ホワイトとの対決について問われて)

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