平野歩夢 心の強さ、ホワイトからのバトン継承に中井孝治氏も感極まり涙「歩夢に金メダルを…」

[ 2022年2月11日 14:00 ]

中井孝治氏
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 スノーボード男子ハーフパイプ(HP)決勝が11日、北省張家口の雲頂スノーパークで行われ、平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が悲願の金メダルを獲得した。五輪史上初の大技「トリプルコーク1440」を成功させるなどし、スノーボードでは日本史上初の金メダル、日本勢で冬季五輪初の3大会連続メダルとなった。ショーン・ホワイト(米国)は4位、平野歩の弟、海祝(19=日大)は9位、戸塚優斗(20=ヨネックス)は10位、平野流佳(19=太成学院大)は12位だった。

 中継が切り替わりNHKのスタジオ解説を務めた02年ソルトレークシティー、06年トリノ五輪のスノーボードハーフパイプ日本代表でソルトレークシティーでは5位に入賞した中井孝治氏(37)が万感の涙を見せた。目を真っ赤に潤ませ「やってくれました」と一言。そして「本当に感動しました」と心から絞り出した。

 2回目の平野歩夢の演技で思ったより点が伸びず、その中での3回目の完璧な演技での逆転金メダル。中井氏は、自分の中で思ったより点が出なかった時、次に切り替えるのは選手にとって非常に難しいことであると選手側の気持ちを説明し、それをはねのけた平野歩夢の3回目の完璧な演技に「メンタルが凄い。メンタルですね」と語った。

 金メダルが確定した平野歩夢にスノーボード界をここまでけん引してきたレジェンドで、お互いを良きライバルと認め合う五輪ラストランを終えたショーン・ホワイトが駆け寄り熱い抱擁を交わした場面を見た中井氏は「この光景を見て(ショーン・ホワイトは)歩夢に金メダルを獲ってほしかったんじゃないかなと僕は思います」と目に涙をためながら、スノーボード界の“王者のバトン”の継承に思いをはせていた。

 5度目の五輪出場を終えたホワイトも平野歩夢のラスト3本目の演技に「人生最高のランだった。本当に誇りに思う」と語った。

 3回のランでベストスコアを争う決勝。平野歩夢は1本目で大技「トリプルコーク1440」を成功させたが途中で転倒したため、33・75。しかし、五輪で同技を成功させたのは平野歩が初めてだった。2本目も「トリプルコーク1440」を成功させる滑りで91・75をマークして暫定2位に浮上。3本目でも「トリプルコーク1440」を成功させる完ぺきな滑りで96・00点を出し、逆転で金メダルを獲得した。

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