妙義龍、間一髪4連勝 まげの差 天空海の掛け投げしのいで粘り勝ち「うまく体が反応できた」

[ 2022年1月13日 05:30 ]

大相撲初場所4日目 ( 2022年1月12日    両国国技館 )

すくい投げで天空海(下)を破る妙義龍(撮影・西海健太郎)
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 妙義龍が天空海をすくい投げで下し、11勝を挙げた昨年秋場所以来となる初日からの4連勝を飾った。捨て身の掛け投げで体勢を崩されたが、反応の良さで粘り、相手のまげが先に土俵につく接戦をものにした。全勝は5人。横綱・照ノ富士は宇良の善戦に苦しみながらも、突き倒しで下し22連勝。関脇・御嶽海も取り直しの末に明生を押し出して4連勝を果たした。大関・貴景勝は右足首の負傷で休場した。

 豪快に投げられても負けなかった。新春4連勝と元気な妙義龍は、気分はいいか、の問いに「はい」とうなずいた。21年は九州場所4日目からまさかの12連敗。最悪の終わり方だったが、年が変わり流れを引き寄せた。

 相手のいなしにバランスを崩し土俵際に攻め込まれるが、動きが止まった瞬間にもろ差しになって反撃に出た。劣勢の天空海には十八番の「掛け投げ」がある。妙義龍は前傾姿勢の体勢で左足を払われて前のめりになるが、懸命に踏ん張って体を預ける。軍配は自身がもらったが、物言いがつき協議に。自身の肘と相手の頭。天空海が落下する際にまげが先に地面についていた。

 際どい勝負。しかもまげの分で連勝を守った。珍しい決着に取組後の妙義龍は「初めてじゃないですかね」とぽつり。それでも苦しい体勢から勝利を得たことには「もう少しで(投げを)食らいそうだった。うまく体が反応できた」と納得の表情を浮かべた。

 35歳と幕内ではベテランの域だが、場所前の合同稽古にも積極的に参加。ひたむきな姿勢は後輩力士のお手本にもなっている。NHKで解説を務めた師匠の境川親方(元小結・両国)も「日頃からトレーニングや体のケアをやっていますから」と地道な努力を称えた。

 昨年秋場所は千秋楽まで優勝争いを繰り広げて11勝。8年ぶりに三賞も獲得した。その時と同じ前頭10枚目での快進撃。2場所前の再現の期待も懸かるが「一番一番集中してやるだけ。明日からも気分良くやっていきます!」と、短い言葉に決意をにじませた。

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