【玉ノ井親方 視点】取り直しの一番で出た“宇良らしさ”、横綱戦楽しみ

[ 2022年1月12日 05:30 ]

大相撲初場所3日目 ( 2022年1月11日    両国国技館 )

押し倒しで貴景勝を破る宇良(上)(撮影・西海健太郎)
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 幕内自己最高位の東2枚目の宇良は初日、2日目と上位の壁にはね返され、良いところが全くなかった。だが貴景勝戦は“らしさ”が十分に出た。

 最初の一番は相手の当たりをかいくぐって前へ。ただ、押し切れずに同体で取り直しに。あの場面で押し切って勝っていれば、地力を付けたなという感じだったが、そこまでの力はなかった。ただ、取り直しの一番は業師らしい相撲だった。仕切り線から大きく下がって手をついて、貴景勝の動きをよく見ていた。安易に当たってきた大関の顔が下を向いていたのを見逃さず、とっさに右にかわすように動いて、横向きにして押し倒した。

 何を仕掛けてくるか分からない宇良のようなタイプは上位の力士にとってもやりづらい相手。その上、前に出る力もあるから余計にやっかいだ。4日目は早くも横綱戦。今場所の照ノ富士は盤石に見えるが、何が起きるか分からないのが相撲。そういう意味では楽しみな一番だ。(元大関・栃東)

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2022年1月12日のニュース