引退発表の内村を世界が称賛「史上最高の体操選手」「卓越した水準築く」、14日に会見

[ 2022年1月12日 05:30 ]

内村の現役最後の演技となった昨年10月の世界選手権・鉄棒の演技
Photo By 共同

 体操男子の個人総合で12年ロンドン、16年リオデジャネイロと五輪連覇を達成した内村航平(33=ジョイカル)が11日、スポニチ本紙既報通りマネジメント会社を通じて現役引退を正式に発表した。14日に都内で会見を開き、決断の理由や今後の活動などを説明する。競技生活に別れを告げるキングに対し、国内外で功績を称える反応が相次いだ。

 3歳で体操を始めた内村が、約30年に及ぶキャリアに終止符を打った。この日、午前7時にマネジメント会社を通じ、現役引退を正式に発表。14日に都内で行う会見で、決断に至った経緯などを自らの口で明かす。

 個人総合で12年ロンドン、16年リオの五輪連覇など、世界選手権を含めた世界大会で積み上げたメダルは、体操ニッポン史上最多となる計28個。美しい演技でキングとして君臨してきた33歳には、国内外から功績を称える反応が相次いだ。

 NBCスポーツは「キング航平」として知られるとし「広く史上最高の体操選手とみられている」と評した。

 AP通信は「初出場だった08年北京五輪から10年以上にわたり、優雅さ、正確さ、そして謙虚さのレベルにおいて、男子の体操で比類なき卓越した水準を築き上げた」と絶賛した。五輪公式サイトも伝えた引退のニュース。17年世界選手権女王のモーガン・ハード(20=米国)がツイッターで「急にどう読めばいいか分からなくなった」と受け止めきれない心境を記し、リオ五輪女子4冠のシモーン・バイルス(24=米国)もハードの投稿を拡散する形で広く共有した。

 リオ五輪で内村とともに団体総合で金メダルを獲得した白井健三さん(25)は「航平さんは“美しい体操”の重要性を日本だけではなく世界中に広めた選手。同じ時代を歩めたこと、体操界の歴史の一ページにともに名を刻めたこと、本当に誇らしく思う」とコメント。日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(64)は「日本の体操界はもちろん日本のスポーツ界を引っ張ってくれた。(国民栄誉賞は)十分値する。彼の頑張りというのは国民に与える影響は大きかった」と賛辞を贈った。

 内村は引退を決意していたため、8~10日に行われた日本代表クラスが集うナショナル合宿には不参加。だが、今も練習は継続している。演技の実演などでの体操の普及活動はもちろん、抜群の知名度を生かし、さまざまな分野での活躍の期待も大きい。第2のキャリアも、内村は美しく歩んでいく。

 ◇内村 航平(うちむら・こうへい)1989年(昭64)1月3日、福岡県北九州市生まれの33歳。長崎県諫早市で3歳の時に体操を始め、五輪初出場の08年北京大会で団体総合、個人総合の2種目で銀メダル。09~16年に個人総合で2度の五輪制覇を含む世界大会8連覇を達成し、16年12月に日本体操界初のプロに転向した。五輪4大会連続出場は体操ニッポン史上2人目。1メートル62、52キロ。

続きを表示

この記事のフォト

2022年1月12日のニュース