東レ・藤井 日本一へ魂のトス 昨年結婚 妻へ「1位の景色見せてあげたい」

[ 2022年1月8日 07:43 ]

5日に30歳の誕生日を迎え、愛妻・美弥さんと祝うS藤井
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 バレーボールVリーグが新年を迎え、きょう8日再開。現在6連勝中で首位のV1男子の東レは、広島・グリーンアリーナでJT広島と2連戦を行う。先月中旬の天皇杯・皇后杯全日本選手権大会で準決勝敗退と不覚を取ったものの、すでに切り替えはできている。5季ぶり日本一へ、5日で30歳になった東京五輪日本代表Sで主将の藤井直伸が的確なトスワークでさらに上昇気流へと乗せる。

 もう悔し涙を流すのはゴメンだ。司令塔でリーダー藤井の脳裏にあるのは「リーグ制覇」のみ。連勝発進からの8連勝へ闘志を奮い立たせた。アタッカー陣の“守護神”として首位奪取に貢献したベテランOH米山裕太(37)が、原因不明の腰痛悪化で復帰の見通しが立たない。厳しい現状にも「誰が出てもそれぞれ良いところがある。勝つことにフォーカスし、うまくなとめていくだけです」と頼もしい限りだ。

 主将元年をまず天皇杯を制し、リーグ戦に弾みを付けるつもりでいた。自信もあった。それが準決勝でWD名古屋に1―3。試合後の会見では涙が頬をつたった。実力的には「不完全燃焼」でも、大会MVPを獲得した相手のOPクレク主将の仲間に対する立ち振る舞いに、チームを勝たせるリーダーとしてのあり方を良い意味で考えさせられた。

 心機一転。しかも5日には区切りの30歳を迎えた。隣には昨年8月9日に結婚した元日本代表Sで笑顔の愛妻・美弥さん(31=旧姓佐藤)がいた。「年齢は今まで気にしたことはない。まだまだ全然行けます」と苦笑いも、独身時代にはなかったある感情が生まれたのも事実だ。

 「新しく家族ができたし、妻は今バレーをやめて働いています。バレーが好きで助けてくれる彼女に、優勝して1位の景色を見せてあげたいんです」

 天皇杯敗退の経験を無駄にしないためにもリスタートダッシュは重要になる。「これからのアローズのために若い選手にも頑張ってもらう。できれば必然的に良いチームになると思います」。藤井が魂のトスで仲間の良きパフォーマンスを演出する。(小澤 秀人)

 ○…副将でOH峯村雄大(27)の出番が増えそうだ。ピンチサーバーとして流れを呼び込む役目を果たしてきたが、米山の完全離脱によって篠田歩監督(42)がOH富田将馬(24)の対角を「守備的サイドがいい」と明言。そこで白羽の矢が立った。5日の練習で「サーブレシーブ以外が全然ダメ」と評価ダウンも、守備固めによる出場は確実。「米さんがケガをして“自分が出なきゃいけない”という気持ちがあった。役割をしっかり果たしたい」と気合が入っている

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2022年1月8日のニュース