東海大大阪仰星の「野生児」石田が躍動した冬 熊野の海と山で鍛えた肉体を武器につかんだ日本一

[ 2022年1月8日 19:07 ]

第101回全国高校ラグビー大会決勝   東海大大阪仰星36ー5国学院栃木 ( 2022年1月8日    花園ラグビー場 )

<東海大大阪仰星・国学院栃木>前半、ステップを踏んでディフェンスをかわす東海大大阪仰星・石田(撮影・北條 貴史)
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 三重県熊野市の実家から東海大大阪仰星まで電車で行こうとすれば、片道で4時間近くかかる。SH石田太陽(3年)は海と山に囲まれた故郷を離れ、大阪の強豪にやってきた。武器は、「子どものころは山で鬼ごっこをして、海で泳いでいた。それで基本的な身体能力が身に付いた」という抜群のスピード。時に自ら仕掛け、速い球出しで波状攻撃の起点になり、日本一に貢献した。

 小5のとき、地元のラグビーフェスティバルで、「仰星の展開ラグビーを見て憧れました」とファンになった。木本中の顧問が仰星高OBという縁もあって、寮生活が伴う進路に、迷いはなかった。

 だが、いざ入ると「あまりのレベルの違いに驚いた」。仰星中から来た同学年は、全国制覇をしていた。心が折れかけたが、自主練でタイヤ引きの全力ダッシュを繰り返して、持ち味の速さを磨き続けた。「ひとつひとつ積み重ねて今がある」。3年で初めてメンバー入ると、高校日本代表候補へ飛躍した。

 進路は同大の予定。自然豊かな土地で生まれ育ったダイヤの原石は、これからもっと輝く。

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2022年1月8日のニュース