東海大大阪仰星・吉本 新ルール活用でVへ導いた 楕円球の転がり方は「日常生活」次第とユニークな持論

[ 2022年1月8日 18:54 ]

第101回全国高校ラグビー大会決勝   東海大大阪仰星36-5国学院栃木 ( 2022年1月8日    花園 )

<東海大大阪仰星・国学院栃木>後半、BK陣を操り、攻撃を組み立てる東海大大阪仰星・吉本(撮影・北條 貴史)
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 東海大大阪仰星のSO・吉本大悟(3年)が正確なキックと判断力で試合を巧みに操った。

 「相手の後ろに立っているプレーヤーに圧力をかけながら相手の特徴、ランコース1つや指示の仕方1つを見ながら、どう圧力をかけようかと話し合い、ゲームプランを自分たちで考えた」

 前半16分、自陣右サイドでボールを奪うと、素早く敵陣へ蹴り込み、タッチラインを割った。今大会から試験的に導入されたルール「50:22」は、攻撃側が自陣の内側からボールを蹴って、相手陣の22メートルラインより内側でバウンドしてタッチラインを割った場合、攻撃側のラインアウトで再開する。このルールを上手く使い、キック1本でチャンスを作り出した。

 計算し尽くされたような縦回転のキック。ただ、「バウンドは技術でなく日常生活」と言い切る。バウンドが上手く転がらない時は「日常生活がだめだと見直す」。逆に思い通りに転がると「このまま日常生活を継続していい」という。「楕円球はどこに転がるか分からない。自分でコントロールできないので、日常生活を大切にしている」と日頃の行いがバウンドにも影響するというのが持論だ。

 巧みな試合運びでチームを6度目の優勝に導いた。ラグビーに費やした高校3年間を「僕の成長というよりチームの成長を多く感じることができた。チームの成長段階を積み木のように重ねることができた」と振り返る。

 卒業後は京産大で競技を続ける予定で「大きな目標は、スポーツをするにしてもしないにしても世界平和」と壮大な夢を抱く。高校日本一へ導いた司令塔はまさに紳士なラガーマンだ。

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2022年1月8日のニュース