四十住支えた母・清美さん「やるならプロ」 県外パークへ2日車中泊も

[ 2021年8月5日 05:30 ]

東京五輪第13日 スケートボード女子パーク ( 2021年8月4日    青海アーバンスポーツパーク )

兄・麗以八さんを追いかけてスケートボードを始めた四十住(マネジメント会社提供)
Photo By 提供写真

 「やるならプロになるくらいのつもりでやらないとダメ」。兄を追ってスケートボードを始めた四十住に対し、母・清美さんは中途半端を許さなかった。一日も怠ることなく朝から練習する娘に清美さんも覚悟を決め、トップを目指すための二人三脚の日々が始まった。

 自宅の庭にはミニランプ(傾斜路)があったが金属音が出るため夕方までしか練習できず、すぐに県外のスケートパークに通うようになった。片道2時間半の三重のスケートパークに向かう際は金曜の学校終わりに四十住を車に乗せ、2日車中泊。「まだ帰ってこられるだけ良いんですよ」と笑う往復3時間の神戸のパークでは、お弁当を持って夜まで練習した。

 海外遠征にはお米など日本の食材と調味料を持って必ず同行。現地でできる限り手料理を作った。「好き嫌いが多いので。あとは節約」。五輪種目追加が決まるまでは遠征費や練習のガソリン代など負担も大きかったが、娘のために苦労はいとわなかった。

 「後悔のない人生を歩んでほしい」。それだけを願った母にとって、五輪の舞台で両手を突き上げて喜ぶ姿は最高の贈りものになった。

 ▽東京五輪のスケートボード ストリートとパークの2種目。ストリートは街中にある斜面や階段、手すりを模したコース、パークは深さや角度が異なるくぼ地を組み合わせたコースを使う。ストリートは45秒の制限時間内にコースを自由に滑って技を連発するラン2回、一発技を競うベストトリック5回(各10点満点)のうち得点の高い4回の合計点で競う。パークは45秒間を3回(各100点満点)滑り、制限時間内に自由に技を繰り出し、最高スコアを競う。

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