金メダルの阿部詩「私が絶対に」 ジュース飲むだけの末っ子ちゃんが、日本人初の同級金メダル

[ 2021年7月25日 19:30 ]

東京五輪3日目 柔道女子52キロ級 ( 2021年7月25日    日本武道館 )

<柔道女子52キロ級決勝>1本勝ちで優勝を果たし歓喜の阿部詩(右)(撮影・会津 智海)
Photo By スポニチ

 柔道女子52キロ級の阿部詩(21=日体大)が、決勝でブシャール(フランス)を破り、五輪初出場で金メダルに輝いた。同階級では過去に日本選手の金メダルはなく、日本柔道界悲願の「金」となった。

 決勝は激戦となった。4分では決着がつかず、延長戦にもつれ込むが、両者決め手を欠いた。だが、一瞬の隙をついて阿部詩が抑え込みに入り、8分27秒に崩袈裟固で一本勝ち。勝利が決まると、畳の上で横になりながらもガッツポーズをして、感情を爆発させた。その後はうれし涙が止まらなかった。

 優勝者インタビューで阿部詩は「東京五輪があるかどうかわからない状況だったが、開催していただいて、金メダルを獲ることができた。4年間、この大会だけを目指して努力していた。報われてよかった」と涙をこらえながら喜んだ。ブシャールとの決戦には「本当にライバルであり、尊敬する選手。最後の相手にふさわしいな、と思いながら、最後勝ててよかった」と称えた。さらに同級では、日本人初の金メダル獲得には「私が52キロで絶対に金メダルを獲ってやろうという気持ちで挑んだ」と、強い決意で臨み、見事に快挙達成を果たした。

 かつては練習嫌いの末っ子キャラクター。父・浩二さんと毎日トレーニングをする一二三に付いていっては、ジュースを飲みながら見学するだけだった。ただ、柔道を始めてからは天才肌らしく、教わった技をすぐに習得した。柔道スタイルが似ているのも、兄の技を見て盗んで身に付けたからだった。

 兵庫・夙川学院高時代から国際大会で活躍し、初出場した18年の世界選手権は兄妹同日優勝を達成。しかも未だ一二三が達成していないオール一本勝ちで世界を獲り、背中を追いかける存在だった兄とは同列で切磋琢磨できる存在にまで成長した。史上初の五輪延期により、この1年は兄とトレーニングや稽古を行う機会が増えた。精神的にも助け合って、コロナ下の大会でも実力を証明した。

 この日は兄で、男子66キロ級代表の阿部一二三(23=パーク24)も金メダルを獲得。詩は金メダルを獲得後、兄の金を見届けて会場の脇で両手を挙げて喜んだ。夏季大会での兄妹金メダルは過去に例がなく、さらに個人種目でありながら同じ日に達成できる千載一遇のチャンスで、見事に歴史をつくった。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2021年7月25日のニュース