白鵬 復活V王手、奇襲にどよめき 八角理事長苦言「横綱がしてはいけない」

[ 2021年7月18日 05:30 ]

大相撲名古屋場所14日目 ( 2021年7月17日    ドルフィンズアリーナ )

俵付近にまで極端に下がって遠い距離で正代(右)と向き合う白鵬
Photo By 共同

 横綱・白鵬が大関・正代を浴びせ倒しで退け、14連勝とした。仕切り線から大きく離れた場所から立つ奇襲戦法で7場所ぶり45度目の優勝に前進した。大関・照ノ富士も難敵・高安を下し全勝をキープ。場所後の横綱昇進を確実なものとした。両者が千秋楽結びの一番に優勝を懸けて対戦。千秋楽全勝決戦は12年名古屋場所の日馬富士―白鵬以来9年ぶりで、15日制定着後では6度目となる。

 最後の仕切り。白鵬が取った奇襲戦法に館内がどよめきに包まれた。そんきょから立ち上がると後ずさり、俵付近にまで極端に下がって手をついた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「普通、奇襲は弱い方がするものだ。それだけ優勝している横綱がああいうことをしてはいけない」と苦言を呈した。

 軍配が返ると、立ち上がって歩いて前進。激しい張り手やおっつけで正代を攻めた後、体が離れて様子の探り合い。機を見て十分の右四つでつかまえて浴びせ倒した。

 7日目には身長の低い翔猿に同様の立ち合いをされた。これにヒントを得たのか、そして不安を抱える右膝が影響したのか。真意は分からないが、土俵下で見守った藤島審判長(元大関・武双山)は「ばちっと当たられて、もろ差しになられるのを嫌がったのでは」と推察。ともあれ、進退を懸けて臨んだ場所で14連勝し、自身2度目の千秋楽全勝対決に持ち込んだ。今回と同じ舞台だった9年前は大関・日馬富士に敗れているだけに、今度は主役の座は譲れない。

続きを表示

2021年7月18日のニュース